2分でわかるアメリカ

2013/08/16QE巡る研究とマーケット


 サンフランシスコ地区連銀が、FRBの資産買い入れプログラム、いわゆるQEに関する研究を発表しました。QE縮小を巡る思惑がマーケットに大きく影響するため、ウォール街のエコノミストらの注目を集めています。 

研究は、サンフランシスコ地区連銀のヴァスコ・カーディア氏とニューヨーク連銀のアンドレア・フェレロ氏の2人のシニア・エコノミストが書いたものです。2010年11月から2011年6月の間に6000億ドル(約60兆円)の長期国債を買い入れた、いわゆるQE2に焦点をあてたもの。雇用を促進し、インフレ率を高めることが目的でした。ただ、いずれもFRBの目標には達しませんでした。

1年かけて6000億ドルの米国債を買い入れ、2年間保有、そして最後の2年で少しずつ売却するという5年プログラムが研究のモデルです。

2人のエコノミストの分析では、モデルは実質GDPを0.13%押し上げるが、その後の2年で効果が消えてしまうとしています。また、インフレ率は0.03%しか押し上げないと分析しています。意外にも効果が低いという結果です。

その上でエコノミストの2人は、今後の金融政策の方向を示す「フォワード・ガイダンス」がQEの効果を左右すると指摘しています。ただ、QEをいつ終了するかを示唆する「フォワード・ガイダンスより短期金利であるFF金利の引き上げを直接言及するほうが効果大だとしています。

この研究について、CNBCの編集担当は「少し違う」と異論を挟んでいます。

理由は、マーケットは常に先取りするため、「フォワード・ガイダンス」の方が影響大だとしています。実際の行動より予想でマーケットが動くと指摘しています。つまり、QE縮小もしくは終了方向を示せば、その後に利上げが来ることが予想されるため、効果大だとしています。

中央銀行からの視点とマーケットからの視点が若干違う気がします。

[AUGUST 15, 2013] No 0105344

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.09.19 更新最高裁判事承認が注目される訳※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(18日更新)はこちら(マイページへログイン)「アニタ・ヒル事件」はセクハラ疑惑の先駆けと言われています。…
  • 2018.09.18 更新ITで稼いでアナログを買う※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(18日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカのメディア大手メレディスは16日、ニュース誌「タイム…
  • 2018.09.15 更新UHNWIでみる富の移動※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(10日更新)はこちら(マイページへログイン)米中の貿易戦争に内外の懸念が高まる中、トランプ大統領は強硬姿…
  • 2018.09.14 更新オクトーバーサプライズ※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(10日更新)はこちら(マイページへログイン)「October Surprise(オクトーバーサプライズ)…
  • 2018.09.13 更新ユーロ基軸通貨構想※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(10日更新)はこちら(マイページへログイン)EUのユンケル委員長がユーロの国際的役割を拡大させると主張し…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ