2分でわかるアメリカ

2013/08/13円は安すぎる?欧州通貨は高すぎる?


週末にローマからロサンゼルスに戻りました。冷蔵庫が空っぽだったので、近所のスーパーに買い出しに出掛けました。帰りがけ、車のガソリンを補給しました。そこで強く感じたことがあります。アメリカの物価はイタリアよりも大幅に安いということです。

ロサンゼルスの物価はニューヨークやホノルルほどではありませんが、全米平均よりも高めです。それでも、ガソリンはローマの約半分、牛乳やタマゴなどの基本的な食料品は30%ほど安いです。

外国との物価の違いは、為替レートが影響します。通貨が割高であれば、物価は当然高くなります。割安であれば、その逆。一物一価、つまり同じ物の値段はどこでも同じという考え方から、妥当な為替相場を考える上で参考になるのが「PPP(購買力平価)」です。

PPPで世界的に知られるのが「ビッグマック指数」です。イギリスのエコノミスト誌が1986年に導入したもの。最新データでは、基準となる「ビッグマック」のアメリカの値段は4ドル56セントでした。これに対しユーロ圏はドル換算で4ドル66セント。ユーロを採用していないノルウェーは7ドル51セント。単純に考えるとユーロは対ドルで小幅高、ノルウェー・クローネは高すぎるということになります。

ただし、最近のマクドナルドはメニューが充実していて、ビッグマックだけでは単純に比較できません。例えば、ロサンゼルスのマクドナルドで「1ドルメニュー」のアップル・パイやコーヒーは、ローマでは「1ユーロ」メニューでした。つまりイタリアが約30%高い。さらに、アメリカでは無料のケチャップやマヨネーズは、ローマでは1つ25セントと有料でした。ビッグマック指数以上にヨーロッパの通貨は高く取引されていると感じます。

ちなみにデータ上の日本のビッグマックの価格は3ドル20セント。中国は2ドル61セントでした。指数では、円と人民元は大幅に安く取引されていることを示しています。

 ビッグマック指数は完全ではありませんし、為替相場は投資家の思惑や政策などが影響しますし、単純にPPPで高いか安いかを判断することはできません。ただ、実際にアメリカからイタリアや日本に旅行すると、誰もがユーロは高く円は安すぎると感じることは間違いありません。 

[AUGUST 12, 2013] No 0105341

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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