2分でわかるアメリカ

2013/07/31マセラティ大苦戦


アメリカからヨーロッパを訪問すると最も印象的なのがクルマのサイズが小さいことです。特にフランスとイタリアでは、プリウスが大型車と思えるほど小さい。イタリアで最も売れている新車トップ5は、フィアット・パンダ、フィアット・プント、ランチア・イプシロン、フィアット500、ルノー・クリオで全て小型車です。

なぜ小さいクルマが好まれるのか。理由は簡単。駐車スペースがないからです。ローマの中心地は古代ローマ帝国や中世の歴史的建造物だらけ。街全体が博物館のようです。古代や中世には自動車がありませんでしたので、建物には駐車場がありません。石畳の道路は狭い。歴史が浅く、石油産業と自動車産業を後押しするために都市計画が進んだロサンゼルスとは対照的です。

ローマでは、小さい車をビデオゲームのように運転します。「攻撃的」な運転で、信号が変わった瞬間に一斉にダッシュ。横断中の人が歩いていても構わずダッシュ。アイススケートのショート・トラックのように追い越したり追い越されたり。時々ぶつかるので、凹んだクルマが目立ちます。

 基本的に路上駐車。オートバイやスクーターが入り混じり、方向もバラバラに駐車します。整理整頓好きな日本では絶対に見られない光景です。スペースが足りない時は、テールで後ろのクルマを押しながら駐車します。イタリア人によると「バンバーはそのためにある」そうです。 

ところで、債務危機に苦しむヨーロッパでは自動車業界が不振です。今年6月の新車販売台数は、前年同月比で5.6%減少し113万台に留まりました。過去17年で最悪。最大の経済であるドイツは8.1%減、フランスは11.2%減りました。イタリアも10.3%のマイナスでした。イタリアの去年1年の新車販売台数は140万台に留まり、前年比で19.9%減でした。1979年以来最悪で、このペースで行けば悪い記録を更新しそうです。

イタリアは超のつく高級車でも知られています。当然ですが、景気後退の影響を大きく受けています。去年イタリアで売れたフェラーリは248台で56%減、マセラティは115台で72%減でした。イタリアの高級車メーカーが、アメリカと中国を強化する理由がよくわかります。

[JULY 30, 2013] No 0105332

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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