2分でわかるアメリカ

2013/07/30南に行くほど安い


ローマに来ました。ロサンゼルスからアリタリア航空の直行便。11時間の飛行時間、搭乗客は1人を除いて全員白人でした。4年ぶりのヨーロッパ、実に20年ぶりのイタリアです。きょうから2週間だけ、イタリアを中心にした「2分でわかるヨーロッパ」に変更します。

ヨーロッパでは、昔も今も「北高南低」です。どういうことかと言いますと、地理的に北に位置するスカンジナビアやドイツ、オランダなどは、一人当たりGDP、所得、税金、物価が高く、ギリシャ、スペイン、ポルトガルといった南側の国はいずれも低いということです。

南に位置するイタリアは、ユーロ圏でドイツ、フランスに次ぐ経済大国ですが、物価は北の国より低く抑えられています。それでも、空港から市内までのタクシーは55ユーロ(約7150円)でアメリカより約50%高く、ガソリンはリッター当たり1.8ユーロ(約234円)とアメリカのおよそ倍です。

ローマは観光地であり、金融のミラノと並ぶ商業都市ですのでやや高めですが、それでも北ヨーロッパと比べると安い。ただ、ヨーロッパ以外の国からみると南ヨーロッパでも高く感じます。

外国との物価比較は為替レート次第です。つまり、ユーロが高めに設定されていると言えます。感覚的には1ドル=100円=1ユーロ。ユーロ表示をそのままドルにしたのがアメリカの値段だと思います。逆にイタリアからアメリカや日本に行くと、安く感じると思います。

7月と8月は、北のリッチな国からイタリアに多くの観光客が訪れます。オペラ座の周辺を歩くと、ドイツ語や英語などEUの北側の言語が耳に入ります。摂氏35度前後と暑いのですが、南ヨーロッパ特有の地中海性気候と安い物価を楽しんでいるようです。  

それでは、イタリアの人はどこにバカンスに行くのか。ミラノやローマの人はイタリア南部のシシリーやナポリなどに行くとタクシーのドライバーが言っていました。物価の高いドイツやフランスに行かず、南に行くそうです。近隣のギリシャ、トルコ、スペインなどで休暇を取る人も多いようです。

ドイツのメルケル首相は「ユーロ圏は2つのスピードに分かれている」と頻繁にコメントしています。金融危機後の景気回復で南北格差が大きいということです。イタリアは財政悪化、高い失業率に苦しんでいます。でも、これはユーロが導入される前も今も同じこと。イタリア人は気にせず、人生を楽しんでいるように見えます。

[JULY 29, 2013] No 0105331

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.10.20 更新黄色いクルマが消える日ロサンゼルスはカリフォルニアらしい晴天でした。気温は28度。日本人の感覚では「暑い」と思うかもしれませんが、乾燥していて心地よい。5時間のフライトでニューヨーク…
  • 2018.10.19 更新カショギ氏の「最後のコラム」ワシントンポストが18日、行方不明のサウジアラビア人のジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏のコラムを掲載しました。「アラブ諸国に必要なのは表現の自由」と題するコ…
  • 2018.10.18 更新米財務省の為替報告書※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(15日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカ財務省が為替報告書を公表する予定。アメリカ東部時間の…
  • 2018.10.17 更新財政赤字、トランプ氏の主張と違った※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(15日更新)はこちら(マイページへログイン)大規模な減税分は高い経済成長で相殺される。トランプ政権が去年…
  • 2018.10.16 更新マーケットが気にするサウジ記者問題※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(15日更新)はこちら(マイページへログイン)サウジアラビア人のジャマル・カショギ記者が今月2日から行方不…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ