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2013/07/25ビール値上げの裏にゴールドマン?


ニューヨーク・タイムズの週末版の調査報道記事がウォール街とワシントンで議論を呼んでいます。  

金融大手のゴールドマン・サックスがアルミニウムの価格を意図的に引き上げ、消費者の負担となっているという記事です。

それによりますと、ゴールドマン・サックスが3年前に買収したメトロ・インターナショナル・トレード・サービスが、デトロイトに所有する27の倉庫で、アルミニウムの塊を倉庫間でめまぐるしく一日に23回移動させているということです。保管してある倉庫から別の倉庫に繰り返しトラックで運んでいます。まるで「回転木馬」のように。倉庫には市場で取引される4分の1に相当する膨大な量のアルミニウムが保管されています。

ニューヨーク・タイムズは、こうした奇妙な行動はゴールドマン・サックスの巧妙な手口によるものだと伝えました。保管倉庫は一定の量を毎日放出するルールになっていますが、倉庫間を移動させることによりクリア、必要以上に保管期間を長引かせています。アルミニウムを預けている顧客に高い保管料を請求できます。さらに、供給量が減るためアルミニウムの価格を押し上げる結果になっています。コスト増は、缶ビールやコーラの価格に転嫁され、最終的に消費者が負担しているとしています。

報道に対し、ゴールドマン・サックスは、オンライン・メディアのポリティコの中で、「アルミニウムの価格は世界の需給関係で決まり、いまは供給過多の状態にある。ニューヨーク・タイムズは、誤解している」と反論しました。確かに、価格は需給で決まります。しかし、倉庫の保管料を必要以上につり上げていることの説明は不十分と言えます。

ニューヨーク・タイムズは記事の中で、JPモルガン・チェースやモルガン・スタンレーなどウォール街の大手金融機関が、原油小麦綿花コーヒーなども同様の手口で価格を操作、巨額の利益を上げていると報じています。倉庫業に投資銀行が進出。儲けのためなら手段を選ばないということでしょうか。倉庫が財政破たんしたデトロイトにあるというのも考えさせられます。

[JULY 24, 2013] No 0105328

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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