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2013/07/18お金持ちはなぜワインにはまるのか


近所のワインショップで「100ポイントのワイン」を一本買いました。「レオネッティ・セラー・リザーブ2010」。ワシントン州ワラワラ・バレーにあるブティック・ワイナリーのカベルネソービニヨンを主体にブレンドした赤ワインです。  

ワインをつくった人は「この世のものとは思えないアロマを持っている」と自画自賛しています。ワイン評論で世界一とされるロバート・パーカーJRが主宰するワイン・アドヴォケイトは「完璧なバランスだ」として、このワイナリーで初めての100ポイント、つまり満点をつけました。

値段は日本円に換算して約1万6000円。一本が10万円を超えるボルドーのラトゥールやラフィット、ナパのハーランなどと比べ無名であるため、100ポイントにしては安い。それでも高い。自分用ではなく贈答用として購入しました。ワインにはまっている友人のために買いました。

友人はロシア人の富豪。ボルドーやブルゴーニュの最高級ワインのほか、イタリアやナパの100ポイントワインを何本もご馳走になったお礼をしたかったのです。友人は、レストランでいろいろなワインを飲み比べるうちに虜になってしまいました。起業した会社がニューヨーク証券取引所に上場し、巨額の現金が入ってきた後のことです。もともとはウォッカを飲んでいたそうです。お金に余裕が出来たため、ワインを極めることにしたのです。

かつて一緒にワインを飲んだ日経新聞の猪瀬聖さんが「仕事が出来る人はなぜワインにはまるのか」という本を書きました。ソニー元会長の出井さんやカプコンのオーナーの川本氏らへのインタビューなどから、成功者がワインにはまった理由などを独自に評論したものです。

たしかに、ナポレオンからチャーチルまで成功者にはワイン好きが多い。しかし、ワイン好きだから成功したのではなく、成功したからワインを極める余裕ができたという人が多いのではないかと思います。「熟成した本当に美味しいワイン」を飲むと取りつかれるという特徴がワインにはあります。しかし、ワインはあまりにも多種多様で奥が深く、あまりにもお金がかかる。最近では中国の富豪が買い占めしていることもあり、ボルドーの有名ワインが異常な水準に高騰しています。

ところで、100ポイントワインは本当に完璧か。何度か100ポイントワインを飲む機会がありましたが、本当に美味しいと思ったワインがあった一方、首を傾げたくなるワインもありました。あくまでもワイン評論家の主観によるものだと思いました。個人的には、90ポイント前後の手頃な価格のワインを飲むのが好きです。リラックスして飲めますし。

[JULY 17, 2013] No 0105323

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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