2分でわかるアメリカ

2013/07/12時給1000万円超の米元高官


今年1月に退任したティモシー・ガイトナー前財務長官が、高額所得スピーカーの仲間入りをしたとフィナンシャル・タイムズが伝えました。  

それによりますと、ガイトナー氏は、先月開かれたドイチェバンクのイベントで講演し、20万ドル(約2000万円)の報酬を受け取りました。イベントには、フランスのニコラス・サルコジ前大統領とイタリアのマリオ・モンティ首相もスピーカーとして招かれました。講演はそれぞれ90分程度とみられ、質疑応答を加えても約2時間。時給は日本円で1000万円になる計算です。

ガイトナー氏は、4月に開かれた投資会社ブラックストーン、それに投資会社ウォーバーグ・ピンカスの年次総会にも招かれ、それぞれ10万ドル(約1000万円)以上の報酬を受け取りました。わずか3回の講演で40万ドル(約4000万円)稼いだことになります。

欧米の大統領や首相、政府高官が退任後に、民間企業などがスポンサーになって世界中で講演するケースが目立ちます。先日亡くなったサッチャー元首相やゴルバチョフ元大統領も世界中で講演しました。

最近では、ビル・クリントン元大統領とイギリスのトニー・ブレア前首相が頻繁に講演していて、年収は日本円で数億円に達しています。大統領を含め欧米の政府高官の報酬は民間企業などと比べ決して高くありませんが、退任後に高い報酬が稼げるキャリアがいくつもあります。知名度は抜群ですから、未上場会社などに投資するPEの幹部に就任する元政府高官も少なくありませんが、ガイトナー氏はいまのところ、「スピーカー」になったようです。ドイチェバンクは、別のイベントでの講演もガイトナー氏に依頼済みです。

ただ、フィナンシャル・タイムズは、退任後直ぐに政策や経験談を公の場で話すことに批判も少なくないと指摘しています。FRBのグリーンスパン前議長は、退任直後の講演で25万ドル(約2500万円)を受け取り批判されました。高額の報酬が批判されたのではなく、リーマン・ブラザーズがヘッジファンドを招いたディナーでの講演だったからです。ちなみに、日銀の白川前総裁は、退任後少なくとも半年は金融政策などに関してはコメントしないとしています。

個人的には、退任直後に重要な意思決定をした政府高官の話を聞いてみたいと思うのですが、白川前総裁のスタンスもよく理解できます。

[JULY 11, 2013] No 0105319

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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