2分でわかるアメリカ

2013/07/09飛行機事故は生き残れる


 サンフランシスコ国際空港で週末に起こったアシアナ航空214便の事故のニュースをずっと見ていました。 

乗客291人を乗せて韓国インチョン空港を出発したボーイング777が、10時間の飛行を終える直前のことでした。着陸に失敗し激しく炎上しました。搭乗していた16歳の中国人女性2人が死亡しました。スタンフォード大学などを見学した後、ロサンゼルス郊外の高校でサマー・キャンプに参加する予定でした。ディズニーランドも予定されていました。胸が痛みます。さらに、182人が重軽傷を負い市内の病院に運ばれました。

操縦ミスか、それとも機体やエンジンのトラブルか。原因を結論づけるのは時期尚早ですが、アメリカのメディアは副操縦士の経験不足を指摘しています。NTSB、アメリカ運輸安全委員会はフライトレコーダーを解析、現場の状況分析や搭乗者の面談などで原因解明を急いでいます。

事故直後に撮影された動画や写真、大破した機体を見ると事故の激しさに衝撃を受けます。同時に、死傷者の少なさに驚きます。

テロリストによるハイジャックは別として、近代の大型ジェット機がクラッシュすることは依然と比べ大幅に少なくなりました。ボーイング777-200機による大型事故は、2008年のブリティッシュ・エアウェイズ38便がヒースロー空港で起こした事故以来のことです。

過去10年ほどの事故を振り返ると、技術の進歩で飛行中の事故は極めて稀です。ほとんどの事故は離陸と着陸のいずれかに起こっています。アメリカの運輸当局の厳しい基準があるため、緊急時に生死を分けるとされる90秒以内に脱出できる機体構造になっています。アシアナ航空の事故でも多くの搭乗客が無事避難しました。最新の航空機には、電子機器には二重三重の安全対策が施されています。クルーの誘導も適切だった可能性があります。さらに、空港の消防技術や機材の進歩も被害を最小限に抑えたとみられます。

NTSBのデボラ・ハースマン委員長は「飛行機事故は生き残れる」と語っています。今回の事故を教訓に、さらに犠牲者が減ることに繋がればいいのですが。

[JULY 08, 2013] No 0105316

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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