2分でわかるアメリカ

2013/06/27米英語が通じない英国


毎朝起床した後、最初にiPhoneでメールをチェックします。その次に主要紙のヘッドラインを確認します。米ウォール・ストリート・ジャーナルと英フィナンシャル・タイムズを最初に読むのですが、ときどき表現に違いがあります。

例えば、イギリスの通信会社ボーダフォンがドイツのカベルを買収することで合意したニュース。フィナンシャル・タイムズは、77億ユーロの「takeover」と報じました。一方、ウォール・ストリート・ジャーナルは、過去10年で最大級の「acquisition」と伝えました。日本では一般的な企業買収はM&A、つまりMerger & Acquisitionと呼ばれアメリカ英語に近いです。

ちなみに日本では株式公開買い付けのことをTOB(takeover bid)と言いますが、アメリカでもイギリスでもTOBという言い方はしません。

ウォール・ストリート・ジャーナルに興味深いコラムが掲載されました。アメリカ英語とイギリス英語の違いが多く、誤解を招くことが少なくないというノートルダム大学のテリー・イーグルトン客員教授の寄稿文です。

それによりますと、アメリカでは道路で他人の通行を妨害してしまった際は、「すみません」の意味をこめて「excuse me」と言います。イギリスでは「sorry」という表現を使います。イギリスの学校では消しゴムのことを「rubbers」と言いますが、アメリカでは避妊の授業の際にしか使いません。コンドームのことを指すからです。

 アメリカ人が頻繁に使う「kids(子ども)」や「awesome(すごい)」という単語はイギリスでは使われません。アメリカでは、積極的なことを「aggressive」と肯定的に使われることが多いのですが、イギリス人は変だと思っています。英国人と米国人は想像する以上に異質な存在だとイーグルトン氏は主張しています。 

アメリカの会社には多くのイギリス人が働き、イギリスの会社で働くアメリカ人は少なくありません。メディアも同様。マーケット関係者が利用するブルームバーグはアメリカ系、ロイターはイギリス系で、詳しく分析すると表現の違いでマーケットに影響したことがあるかもしれません。

日本人が話す英語はどちらか。アメリカ英語とイギリス英語が混じっていると思いますが、どちらかと言えばアメリカの表現が多いように思います。英語のオリジナルはイギリス英語ですが、アメリカ経済の影響力が大きく、ハリウッド映画が幅広く観られているためでしょうか。

[JUNE 26, 2013] No 0105306

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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