2分でわかるアメリカ

2013/06/25FEDウォッチャーズ


アメリカの中央銀行FRBがあるワシントンに拠点を置くエコノミストや金融担当記者は「FED Watchers(ウォッチャーズ)」と呼ばれます。FEDとは連邦政府機関のことで、連邦警察であるFBIのことも指しますが、マーケット業界でFEDはFRBのことです。数多いFEDウォッチャーズの中で、6人のジャーナリストは「マーケットを動かすほど影響がある」とされています。  

6人は、ウォール・ストリート・ジャーナルのジョン・ヒルゼンラース記者、フィナンシャル・タイムズのロビン・ハーディング記者、ニューヨーク・タイムズのビンヤミン・アペルバウム記者、ワシントン・ポストのネイル・アーウィン記者、エコノミスト誌のグレッグ・イップ記者、そしてCNBCのスティーブ・ライスマン記者です。

特に最初の2人、ウォール・ストリート・ジャーナルのヒルゼンラース氏とフィナンシャル・タイムズのロビン・ハーディング氏の影響力は大きく、書いた記事で株式、債券、ドル、商品相場が大きく動いたことが過去に何度もありました。

ヒルゼンラース記者のブログがウォール街で話題になっています。週末のウォール・ストリート・ジャーナルで「分析:マーケットはFEDのメッセージを読み間違えているかもしれない」とのブログを書いたからです。

先週開かれたFOMC、そして会合後のバーナンキ議長の記者会見を受け、世界のマーケットが大きく荒れました。経済を刺激していた資産買い入れプログラム(QE)を年後半に縮小、来年半ばにも終了する可能性を示唆したからです。ゴールドマン・サックスのエコノミストは「FOMCは予想以上にタカ派だった」と結論づけました。短期金利の引き上げも2015年にはあるとの見方が広がりました。しかし、ヒルゼンラース記者は、マーケットの理解とは異なるシグナルを送ったと解説しています。

1.バーナンキ議長は短期金利の引き上げについては過去以上に慎重な姿勢を示しただけでなく、当初の計画より長く超低金利を継続することを示唆した 2.FRB幹部15人が2015年もしくは2016年まで金利を引き上げるべきではないと考え、その前の引き上げを主張したのは4人しかいなかった 3.QE終了は経済次第で予定されたものではないことをバーナンキ議長が強調したなどから、実際には「ハト派」的なシグナルを送ったとヒルゼンラース記者は伝えました。FRBが送ったメッセージがマーケットを安定させることはなかったとしています。

有力FEDウォッチャーズが今週以降のマーケットにどう影響するのか注目です。

[JUNE 24, 2013] No 0105304

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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