2分でわかるアメリカ

2013/06/12革新をつづけることの難しさ


アップルは、サンフランシスコで10日に開催した年に一度のデベロッパー向けのイベントで、「革新企業」としてのイメージを印象づけたかったのだと思います。

ティム・クックCEOが「2007年にiPhoneを発売して以来、最大の変更」と呼んだ携帯端末向けの「iOS7」、音楽サービスiTuneでのラジオ・サービス、そしてバッテリー時間が延びた新型マックブックエアを発表しました。コンピュータ向けの「OS X Mavericks」と新世代のプロ向けコンピュータである「MAC PRO」のプレビューも披露しました。

長方形型の「MAC PRO」のデザインには少しだけ反響がありましたが、それ以外は、前の日に読んだメディアの記事通りの内容でした。iOSの変更は大幅ですが、何か物足りなさを感じました。iPhoneやiPadが発表された時のインパクト、驚きがありませんでした。

アメリカのメディアの扱いも、過去と比べ控えめでした。新聞、テレビ、オンライン・メディアが競って中継で報じた頃が懐かしく思えるほどです。イベントがあった前日のアップル株は投資家の反応を反映して、安く取引されました。

iPod、iPhone、iPadで世界のライフスタイルを変えたアップルのモメンタムが薄れつつあります。ヤフーやグーグル、フェイスブックですら、最近では新興企業に押されつつあります。故ピーター・ドラッカー氏は「企業の寿命は30年」と言いました。技術革新のスピードが速い現代では、企業寿命がさらに短くなっています。

ただ、アップルには潤沢な資金があり、世界最高水準のエンジニアとデザイナーがいます。個人的には、iTVとiWatch、そして秋に発表されるとみられる新型のiPhoneに期待したいです。
 
[JUNE 11, 2013] No 0105294

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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