2分でわかるアメリカ

2010/06/15アメリカ人が最も嫌いな会社


日本の新聞やテレビでは、口蹄疫や菅新政権のニュースが連日、トップニュースですね。(15日のトップはワールドカップだと思いますが)。状況の深刻度合いや日本国民への重要度を考えますと当然だと思います。

でも、アメリカでは違います。アメリカのメディアは連日、メキシコ湾の原油流出事故を、トップニュースで報じています。原油で真っ黒になった海鳥やカメドロドロの赤黒い原油で汚染されたビーチ次の世代まで漁は出来ないと話す漁師の動画や写真が連日大きく取り上げられています。  
メキシコ湾といってもメキシコの話ではなく、アメリカ南部のルイジアナ、ミシシッピ、アラバマ、フロリダの話です。4月20日に起こった英石油大手BPの海底油田の爆発事故で流出した原油が、当初予想の倍以上の1日あたり4万バレル流出しています。今もなお、流出が止まっていません。これは史上最大の流出事故であり、史上最悪の自然破壊事故です。

「BPはアメリカで最も嫌われている会社」、CNBCのキャスターであるラリー・クドロー氏は、流出事故のすべての責任があるされるBPをこう呼んでいます。流出事故はあらゆる面が最悪のシナリオになりつつある中で、「BPがアメリカの海を汚染した」との世論が形成され、BPに対し、流出の除去費用だけではなく、漁師や観光業者など流出で経済的被害を受けた人の生活保障を負担するよう圧力がかかっています。またBPには、なんと6万件を超える訴訟が起こされています。

ゴールドマン・サックスは、原油の除去作業の負担は、800億ドル(約7兆3000億円)に上ると試算しています。この額が1300億ドル(約12兆円)にも上るとの試算もあります。これはBPの総資産を上回る規模です。

BPを激しく非難するオバマ大統領は、BPの幹部を16日にホワイトハウスに呼び出しています。「ちゃんと払うんだろうな」と言質をとるためです。BPは高配当で知られますが、配当のお金を被害負担に回すよう強く求めることも予想されます。 BPを巡る報道は、まだまだ続きそうです。

[June 14, 2010] No 010184

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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