2分でわかるアメリカ

2013/05/165万円を50億円にした美人ママ


フォーブス紙が毎年発表している「世界の富豪」リストの女性部門では、アメリカ人の女性が上位を独占しています。いすれも日本円に換算して1兆円超の莫大な資産を持つビリオネア」ですが、小売最大手のウォルマートの創業者の未亡人クリスティ・ウォルトンさんや娘のアリス・ウォルトンさん、ミューチュアルファンド最大手のフィデリティのオーナーの娘アビゲイル・ジョンソンさんら、家族の遺産を引き継いだ女性が目立ちます。

富豪リストにはありませんが、成功した女性企業家も少なくありません。ケンドラ・スコットさんは、10年ほど前に創業した会社で財を築きました。

9.11と呼ばれる同時多発テロ直後の景気悪化でケンドラさんの夫が失業しました。スコット家にとって非常に苦しい時期に、ケンドラさんは妊娠します。「ママ」としてできる仕事はないかと考えた結果、自らの名前を冠したアクセサリー会社を2002年に創業しました。創業で使ったお金はわずか500ドル(5万円)でした。

自然石を使ったカラフルで斬新なデザインはハリウッドのセレブらで直ぐに評判になりました。「ケンドラ・スコット」は地元のテキサス州オースティンやカリフォルニアのビバリーヒルズに相次いで出店。ブルーミングデールズ、ニーマン・マーカス、サックスなど全米の高級デパートでも大ヒット、売上高は5000万ドル(約50億円)に達しました。

ケンドラさんは、大企業のCEO、人気ブランドのデザイナーですが「ママ」であることを最優先しています。夕方に学校で子どもをピックアップすること、夕食を与えることを最優先しています。子どもが寝た後に再びデスクに戻ることもあります。美貌も手伝って、ケンドラさんは「働くママ」のシンボル的な存在になっています。経済チャンネルのCNBCは昨夜から、ビジネスのアイデアをプレゼンし、勝者に5万ドル(500万円)が贈られるリアリティショー「Croud Rules」の放送を開始しました。司会は、ケンドラ・スコットさん。ケンドラさんにとって4つ目の顔です。

 アメリカには、女性が起業しトップを務める企業が780万社あるそうです。創造する経済規模は3兆ドル、日本円で300兆円と巨大です。ケンドラさんのような「mompreneur(ママ企業家)」がアメリカ経済の一翼を担っていることは間違いありません。 

[MAY 15, 2013] No 0105274

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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