2分でわかるアメリカ

2013/04/25揺れるアップルと4S


ウォール街が最も注目しているアップルが今年1-3月期の決算を発表しました。前年同期比で18%減益でしたが、売上・利益ともアナリストの予想を上回りました。決算では、中国の売上が大幅に伸びました。アップルはこの他、株式配当を1株3ドル5セントに15%引き上げるとともに、自社株買いを大幅に拡大する方針を発表しました。

決算はまずまずでしたし、株主への配慮を示しましたが、新製品への懸念などで、24日のナスダック市場ではアップル株が軟調でした。

アップルの株は過去8カ月間、大変なことになっています。去年の9月には702ドルまで上昇したのですが、いまは約400ドル。時価総額にして3000億ドル、日本円にして約30兆円が消えた計算です。  

責任はティム・クックCEOにあるなどとしてCEO解任の噂が流れました。フォーブス誌は「アップルがクックCEOの後任を探している?」と題するコラムを掲載、アップルに近いウォール街関係者が「証拠はないが、そうした動きがある」と語っているとしています。

iPod、iPhone、iPadなど、世界のライフスタイルを変えた製品を相次いで世に送り出したアップルは大きな壁にぶつかっています。ウェアラブル・コンピュータやApple TVなどの噂があるのですが、世界をWOWと言わせるかどうか不透明。ワクワク感が薄れつつあります。たしかにサムスンが健闘しています。

ただ、ティム・クックCEOが就任以降、売上や利益は大幅に増えました。手持ちの現金は日本円で約12兆円に大幅増加しました。アップル・ストアは依然として大盛況。アップル製品の人気は変わりません。個人的な意見ですが、アップルユーザーがウィンドウズやアンドロイドに移るとは思えません。アナリストのほとんどは依然として強気です。

それでは、なぜアップル株がこれほど売られたのか。

CNBCは「問題はiPhone4Sにある」としています。iPhone4Sは2011年10月に発売されました。それまでのiPhoneは、6月に開催される年に一度のイベントで発表、夏に発売されました。発売直後から人気が高まり、年末商戦でピークを迎えました。これに対し、年末商戦直前に発売された4Sは、最初の四半期でピークアウトしました。4Sの製品自体ではなく、発売時期のタイミングが問題だとしています。興味深い分析です。

アップルはアメリカで最も重要な会社。株価が上がっても、下がっても話題になるのは、やはりアップルだからだと思います。

[April 24, 2013] No 0105259

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.12.15 更新トランプ大統領、任期全うできるか12月9日からの1週間は、トランプ大統領にとって就任以来で最悪の週だった。ワシントンポストのコラムニストが伝えました。確かに、トランプ大統領に打撃となるニュース…
  • 2018.12.14 更新アメリカのガラパゴス日本に帰国する際は非接触型ICカードを使っています。JR東日本のSuicaや首都圏の地下鉄やバスで利用できるPASMO。コンビニや自販機でも使えて便利だと思いま…
  • 2018.12.13 更新FRBの利上げけん制、最後のプッシュアメリカのトランプ大統領が11日、ロイターのインタビューを受けました。ウォール街で話題に。金融情報に強い通信社による単独インタビューのため、慎重に準備したことが…
  • 2018.12.12 更新ホワイトハウスの重要ポスト先週末まで、「ホームランド」をアマゾンプライム・ビデオで毎日観ました。2011年から放送されているCIAエージェントのテロリストとの戦いを描いたテレビドラマで8…
  • 2018.12.11 更新中国がiPhone差し止め、微妙なタイミング中国の福建省福州の裁判所が、特許侵害をめぐるクアルコムとの訴訟に関し、アップルのiPhoneの輸入と販売を差し止める仮処分を下したことが明らかになりました。クア…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ