2分でわかるアメリカ

2010/06/09カネと不倫と過去


菅直人新内閣が発足した日本では、来月にも参院選がありますね。僕は日本の選挙が嫌いでした。正確に言うと、選挙運動の騒音に悩まされました。選挙カーで候補者の名前を連呼、集会では、誠意と根性など精神論に徹する。選挙取材中に、土下座する候補者を見たこともあります。マニフェストに関心が集まる最近の選挙は昔とは違うと思うのですが、個別候補でみると、大きくは変わっていないのではないでしょうか。

 きょう8日は、アメリカの11の州で予備選挙が実施されています。11月の本選挙の前に、共和党と民主党から公式に出馬する候補を選ぶ選挙です。アメリカ人は土下座を理解できませんし、選挙カーでの連呼は騒音で苦情が殺到しますのでありません。それでは、アメリカの選挙はどう戦うのか相手候補の非難合戦です。 

サウスカロライナ州の知事選の共和党候補を巡る選挙には、4人の候補者が立候補しています。先頭を走っているニッキー・ヘイリー州議会議員は、不倫スキャンダルで有名になりました。元知事の報道官が先月、ブログの中で「数年前にヘイリー候補と不適切な肉体関係を持った」と告白したのです。さらに対立候補の有力ロビイストが「自分もヘイリー候補と関係があった」と明らかにしたのです。ダブル不倫は一躍争点になり、激しい批判を浴びたのですが、資金力で劣るヘイリー候補に同情する人が増え、支持率が上がりました。

全米の注目を集めているのはカリフォルニア州の共和党上院候補を決める選挙です。先頭を走っているのは、コンピュータ大手、ヒューレット・パッカードの元CEO、カーリー・フィオリーナ候補です。テレビ広告で激しい非難合戦が展開されています。フィオリーナ候補は最近、「ひどい経営者でヒューレッド・パッカードを解任された」と過去を徹底的に批判されています。

カリフォルニアではもうひとつ、注目される予備選があります。知事選の共和党候補者を決める選挙です。なぜ注目されているかというと、選挙に使ったお金のケタが違うからです。eBayの元経営者のメグ・ウィットマン候補は、8000万ドル(約73億円)を使いました。ほとんどが個人のポケットマネーです。対抗馬のスティーブ・ポルズナー候補もお金持ちで2400万ドル(約22億円)を投じました。テレビ広告で、醜い非難合戦を繰り広げました。

不倫やカネ、それに過去の問題が、政治の場で取り上げられるのは珍しいことではありませんが、政策よりも非難合戦に時間と資本の多くを投じる選挙は、テレビドラマみたいで面白いのですが、ちょっと心配になります。

[June 08, 2010] No 010170

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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