2分でわかるアメリカ

2013/03/15サマータイムで交通事故


アメリカでは今週からサマータイムです。先週の日曜日の午前1時が午前2時になり時間が1時間進みました。日曜日は1日が23時間しかなかったのです。

サマータイムは、100ドル札に描かれているベンジャミン・フランクリンが18世紀に提唱したものです。明るい時間を有効活用する、活動時間を増やし経済活動を活性化させるというのが目的でした。ただ、サマータイムが実施される度に共通して指摘されることがあります。

サマータイムの実施により睡眠時間が1時間減るため、数日間は睡眠不足になるということです。今朝、娘が学校に行く前に「今週は朝がきつい」と言っていました。わずか1時間の短縮ですが、体内時計が狂い時差ぼけの状態になっているのです。  

サマータイム実施後に交通事故が急増するというデータがあります。全米睡眠基金の調査では、アメリカの成人の平均睡眠時間は6時間51分。医師が勧める7時間から9時間程度の睡眠時間と比べわずかに短いのですが、今週のスタートはさらに短い睡眠になるため、居眠り運転が増えるそうです。カナダのブリティッシュ・コロンビア州では交通事故が23%増えるとして注意を喚起しています。

当然ですが、労働生産性が落ちます。さらに、ハーバードのメディカル・スクールなどによりますと、サマータイム実施後の数日間は心臓発作の患者が増えるということです。ベンジャミン・フランクリンの提唱目的が逆の結果を生んでいることになります。

サマータイムはアメリカとカナダの他、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランド、ブラジルなどで実施されています。ただ、アメリカでもハワイ州とアリゾナ州はサマータイムがありません。あまり知られていませんが、実は日本でもかつてサマータイムが実施されていました。1948年から1951年のことです。その後、1995年から何度もサマータイムの実施が国会の場で議論されましたが実施には至っていません。サマータイムの負の効果を見極めた方が良いかもしれません。

[MARCH 14, 2013] No 0105230

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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