2分でわかるアメリカ

2013/03/13「歴史的」「125円」ドル高円安論


株式相場がどこまで上昇するかが、ウォール街でいま最もホットな話題です。きょうは売りがやや先行しました。ただ、ダウはきのうまで5日連続で史上最高値を更新し個人投資家が再び株式投資を増やしている一方、ヘッジファンドが売っています。多くの投資家が恐る恐る買っている状況ですが、どこかのタイミングで調整が入るとの見方が増えつつあります。

ウォール街で次にホットな話題は日本です。株式ではなく、円相場への関心が高まっています。ドルに換算して日本の株式相場をみているため、円相場次第で「日本株が上がってもドルベースでは下がる」、当然その逆もあります。去年末からの円安基調がどこまで進むかが注目されています。  

中長期的に円安が進み、いずれ1ドル=100円に迫るという見方が多くあります。もっと円安が進むという人もいます。外国為替や商品先物の元トレーダーで、The Gartman Letter(ガートマン・レター)という投資情報の提供で知られるデニス・ガートマン氏は、円の対ドル相場は近く軽く100円を超え2年ほどで125円まで売られるとCNBCに語りました。年末にも125円になる可能性もあるとしています。

CNBCによりますと、フランスの銀行ソシエテ・ジェネラルの調査部は「ドル高基調ははじまったばかり」と分析しています。リスク選好/リスク後退で動くのではなく、アメリカ経済の成長を背景にドルが買われると予想しています。1995年から2001年までのドル高局面に類似していると見ています。

予想通り円安が続けばどうなるか。輸出競争力がついて日本経済が恩恵を受けると一般的に見られています。しかし、UBSのエコノミスト、ポール・ドノバン氏は「日本企業は円安の恩恵を受けない」と主張しています。過去20年、30年の間に日本企業が貿易決済を外貨建てから円建てに変更、特に拡大しているアジアとの貿易は円建てだというのが理由です。これまでのところ、円安で企業業績が改善したとされていますが、今後さらに円安が進むとガソリンや食料をはじめとする輸入物価が大幅に上がる懸念もあります。円安を誘導した安倍政権が正しいかどうかは、何年後かに振り返らないと判断できないかもしれません。

[MARCH 12, 2013] No 0105228

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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