2分でわかるアメリカ

2013/03/12米原発巡る責任なすり合い


 東日本大震災から丸二年。日本のメディアは、被災各地の様子や避難民の状況、今後予想される大地震などを幅広く報じています。復興どころか復旧すらできていないことに唖然としました。個人的には、福島県や周辺地域の除染作業の遅れが最も気になります。人的災害とされる事故から何も学ばなかったのかとさえ思います。 

福島第一原発の事故の経験はアメリカでも活かされていないようです。南カリフォルニアのサンディエゴ近郊にあるサン・オノフレ原子力発電所の故障を巡り、製造した企業、電力会社、そして当局が非難合戦を繰り広げています。

サン・オノフレ原発は去年1月、2号機と3号機の蒸気発生装置から水が漏れて緊急停止しました。微量の放射能が漏れたとされています。それ以降、原発は停止されたままです。

製造したのは日本の三菱重工。電力会社はサザン・カリフォルニア・エジソンです。州の上院議員は、三菱重工とエジソンが配管に欠陥があることがわかっていたにも関わらず対応しなかったと告発しました。事故を検証した原子力規制委員会は「三菱重工の不十分なコンピュータ分析がミスを招いた」との報告書を発表しています。これに対し、三菱重工は先週までに、配管の破損などは事故の原因ではないなどと繰り返し反論しています。

ロサンゼルス・タイムズは「責任のなすり合いをしている」と大きく報じました。

サン・オノフレ原発は、海岸沿いを走るフリーウェイ5番に隣接しています。サンディエゴに行く度に放射能のことを考えてしまいます。原発の停止は既に14カ月に及び、4億7000万ドル(約446億円)のコストがかかっています。事故の責任より、「安全」を優先して欲しいです。

東日本大震災では多くが犠牲になり、残された人の多くが希望を見い出せないでいます。教訓が活かされない状況に胸が痛みます。

[MARCH 11, 2013] No 0105227

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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