2分でわかるアメリカ

2010/06/05印税70%の脅威


水曜日に成田空港のゲートで雑誌を読んでいたら、iPadで英語の本を読んでいる人が3人もいました。日本では、発売後1週間も経っていなかったので、正直驚きました。アメリカで国内線に乗ると、ビジネスクラスの4人に1人は、キンドルかiPadで本を読んでいます。ウォール・ストリート・ジャーナルには、電子書籍の大きな広告が連日、掲載されています。

アメリカの去年の書籍販売額は239億ドルで、前年比1.8%減少しました。これに対し、電子書籍は3億1300万ドルで前年比3倍に増えました。電子書籍の割合はまだまだ小さいのですが、2012年までに書籍販売の20〜25%を占めるとみられています。  
iPadの発売が追い風となっていることは間違いないのですが、本の書き手の考え方も大きく影響しています。

アマゾンは、電子書籍を出版した作家への支払い、いわゆる印税を従来の35%から70%に引き上げました。従来の本の印税は、アメリカの場合は売り上げの15%、日本では7〜8%程度です。印刷された本の売り上げがベストセラーに集中するのに対し、電子書籍の場合は、ベストセラーだけでなくニッチな本も幅広く売れるのが特徴です。いわゆる、ロングテールの方式です。

アメリカでは、自費出版していた小さな作家が、電子書籍で成功する例が続出しています。数が売れなくても、印税が高いので採算が合うのです。電子書籍専門の出版社も続々と生まれています。インターネットの登場で、音楽や映画産業は大きく変化しましたが、本の業界は革命と呼んでいいほど激変する兆候が出ています。

アメリカ人が読んでいる日本の現代作家は、村上春樹を除けば、ほとんどいません。しかし、アメリカ人の作家の手を借りるなどして翻訳/再編集し、電子書籍のプラットフォームで出版すれば、日本の文学も十分いけるのではないかと思います。

[June 04, 2010] No 010168

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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