2分でわかるアメリカ

2013/03/05バフェット氏のサファリ旅行


著名な投資家のウォーレン・バフェット氏が1日、会長を務める投資会社バークシャー・ハザウェイの株主宛に、年に一度の手紙を送りました。

手紙の中でバフェット氏は、大きな買収が出来なかったため、去年2012年の成績は残念な結果(Subpar)に終わったと結論づけました。会社全体の時価総額は240億ドル(約2兆2500億円)も増えたのですが、会社の規模が大きいため上昇率は14%に留まりました。投資家がベンチマークにするS&P500株価指数は去年1年で16%上昇したので、成績は平均以下だったと言えます。

時価総額が14%増というのは、バークシャー・ハザウェイの48年の中で上から9番目と悪くないのですが、過去4年では3番目と奮いませんでした。

バフェット氏は、2011年の株主への手紙の中で「象を打つ銃」に弾丸を詰め込んで獲物を狙っていると述べました。去年は大きな獲物狩り(買収)に失敗しましたが、バフェット氏は「チャーリー・マンガー副会長と一緒にサファリ服を着て、象探しを再開する」として、大型買収を積極的に模索する方針を示しました。

 バークシャー・ハザウェイは先月、食品加工大手のHJハインツをブラジルの3Gキャピタルと共同で買収を発表しました。買収額は234億ドル、バークシャーの投資分は約120億ドルでした。バフェット氏は、さらに大型買収を加速させる方針を表明したものです。 

金融危機から5年目となった今年、アメリカの企業のバランスシートには巨額の現金が計上されています。バークシャー・ハザウェイは去年末時点で470億ドル(約4兆3700億円)の現金があります。伝統的な企業は配当や自社株買いに動いている一方、企業年齢の若いIT企業などのベンチャー企業は成長のために買収を進めています。バークシャー・ハザウェイは、どちらかといえば企業年齢が50近い伝統的な企業ですが、バフェット氏は配当や自社株買いを嫌い積極的な買収を続けています。バフェット氏の理念です。

今年の手紙の中でバフェット氏は、自社株買いや配当に現金を使っていたら株主の富は現在価値を大幅に下回っていただろうと述べています。80歳を超えたバフェット氏のサファリの旅は続きます。

[MARCH 04, 2013] No 0105222

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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