2分でわかるアメリカ

2013/03/02「常識シリーズ20」“注目されなかった安倍訪米”


日本の安倍首相が就任後初めて訪米した。オバマ大統領は2月22日に安倍首相をワシントンのホワイトハウスに招き、日米首脳会談が行われた。TPPの問題、尖閣諸島や北朝鮮を含む東アジアの安全保障問題、日本のデフレ対策問題など議題は多岐に渡った。

日本の新聞、通信社、テレビ各社は安倍首相の訪米を詳しく報じた。TPPなどで日本の主張が米の理解を得たと伝えた。時事通信は「日本に久々脚光」との見出しで米国で安倍首相の訪米が高い関心を集めたとする記事を配信した。ただ、朝日新聞は「首脳会談、米側は抑えた反応」として安倍首相への関心が低調だったと報じた。

実際に米国メディアの報道は低調だった。主要メディアで日米首脳会談に関する報道はほとんどなかった。テレビでもニュースにならなかった。

 日米会談を終えたオバマ大統領と安倍首相が記者の質問を受けたが、米側の記者から会談に関する質問は皆無だった。オバマ大統領は米の国内問題しか聞かれなかった。日本人記者から尖閣問題や円安について質問があったが、オバマ大統領は答えなかった。嬉しそうに成果を語る安倍首相と事務的にしか語らないオバマ大統領は、あまりにも対照的だった。 

日本のメディアを見ている日本人は、安倍首相がTPPなどでオバマ大統領の譲歩を引き出した、日本のデフレ対策が米国で大きな注目を集めたとの印象を得た。一方、世界中の首脳が頻繁にワシントンを訪れる米国では、日米首脳会談が実施されたことすら知らないし、TPPで日本がコメ問題を抱えていることなど感心がない。安倍首相はワシントンでの講演で「日本はTIER2(2流国)にはならない」と主張したが、既に「どうでもいい国」の扱いだった。

麻生財務相が大好きだという漫画「ゴルゴ13」。1991年1月に書かれた「日米コメ戦争」に次のような会話がある。「クルマやビデオのためにコメを犠牲にしていいのでしょうか」と東北の若手議員が与党の幹事長に迫るシーン。安倍首相は最近の国会答弁で「自動車のために農業を犠牲にすることがあってはならない」と述べた。20年以上前と同じだ。「失われた20年」だからか。この間、韓国は米国、EUなどと自由貿易協定を締結した。

[MARCH 01, 2013] No 0105221

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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