2分でわかるアメリカ

2013/03/01盛り上がらないWBC


 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、アメリカのメジャーリーグと国際野球連盟が公認する野球の世界一を決めるワールドカップとされています。日本や韓国では侍ジャパンの強化試合が連日報じられるなど盛り上がっていますが、開催国のアメリカではさっぱりです。 

WBCの開催は、メジャーリーグのキャンプ期間と重なります。レギュラー・シーズンに備えた準備期間です。大金を稼ぐ大リーガーは体力作りを重視します。チーム側もシーズンへの準備を優先し、WBCへ有力選手を送るのに消極的です。この時期に故障者を出したくないとの思いも大きい。ダルビッシュ投手らが出場を辞退したのも理解できます。チームUSAには大リーグで3番か4番目に有力な投手、5番目ぐらいのキャッチャーが参加するぐらいです。

アメリカのメディアはキャンプを大きく取り上げますが、WBCが話題になることはありません。スポーツ・メディアが、WBCは人気がないと報じているくらいです。

2005年と2009年に過去2回のWBCが開催されましたが、チームUSAの成績は7勝7敗と全体の5位で芳しくありません。テレビの視聴率も2%以下と低調で、スポンサーを探すのが大変なことが想像できます。

WBCが開催される3月は、NCAAやNBAなどバスケットボールのシーズンであるため、そちらに注目が集まるという背景も影響している可能性があります。また、メジャーリーグの決勝戦を「ワールドシリーズ」と呼ぶように、野球の世界一を決めるのはWBCではないと考えているのかもしれません。アメリカではWBCを、野球のワールドカップというより、ファンへのサービス・イベントと考えているようです。

WBCはもともとアメリカのMLBが収益を拡大させるために発想したものですが、そういう意味では失敗だったのかもしれません。アメリカでは注目度が低いのですが、日本では注目度が高いので侍ジャパンにはぜひ勝って欲しいですね。決勝戦は、サンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地であるAT&Tパークで3月19日に開催されます。

[FEBRUARY 28, 2013] No 0105220

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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