2分でわかるアメリカ

2013/02/28馬肉スキャンダル


欧米で「馬肉スキャンダル」が広がっています。

 きっかけはアイルランドのスーパーマーケット。定期的な食品のチェックで、冷凍ハンバーガーとして販売されていたひき肉に馬肉が混入していることが発覚しました。表示は「牛肉100%」となっていました。偽装表示です。 

その後、イギリス、フランス、ドイツのスーパーマーケットで売られていた「牛肉」の冷凍ハンバーガーやパスタ用ミートソースなどに馬肉が混ざっていることが相次いで発覚、各地でパニックになりました。テスコ、アルディ、ネスレといった有名メーカーの食品だったことも影響して、消費者の不信が一気に広がりました。

馬肉騒動はスウェーデンの大手家具チェーンIKEAにも広がりました。IKEAは手ごろな値段でモダンな家具を販売することで知られていますが、カフェテリアで出す「ミートボール」が隠れたヒット商品でした。チェコの検査官が「牛肉と豚肉」と表示があるIKEAのミートボールに馬肉が混入していることを発見しました。ヨーロッパ各国にある21の店舗からミートボールが急きょ撤収されました。

馬肉混入を巡るパニックには欧米の文化があります。

アメリカでは「馬」を飼っている人が意外に多くいます。イギリスの紳士のスポーツである乗馬、そしてウエスタンスタイルの乗馬など、日本では考えられないほどメジャーなスポーツです。欧米では昔から「馬」は人間の友人であり、それを食べるなんて信じられないと考える人が少なくありません。馬肉混入のバーガーは「あり得ない」ことなのです。さらに、英国教会をはじめキリスト教徒の間で、馬肉を食べるのはタブーとされていることも背景にあります。

偽装表示は食の信頼を揺るがす大きな問題です。固形スープなどにも広がっています。ただ、今回のスキャンダルの反応をみると、欧米人が「人間の友」と考える鯨を食べる日本人を軽蔑していることなど「文化の違い」が影響しているとあらためて思いました。

[FEBRUARY 27, 2013] No 0105219

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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