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2013/02/23「常識シリーズ19」 “豪ドルからユーロにシフトした日本の投資家”


 1400兆円あると言われる日本の個人金融資産。資産の約半分は預貯金、次に多いのが保険・年金、株式以外の証券、株式と続く。特に60歳以上の高齢者の割合が大きいのが特徴だ。 

船井財産コンサルタンツの「財産白書」によると、1400兆円には個人事業主の事業性資金が含まれており、正味の金融資産は466兆円しかないとしている。いずれにせよ、日本人が個人レベルで多くの現金をはじめとする資産を保有していることは欧米でも広く知られている。

この日本の個人金融資産が一部の外国に大きな影響を与えている。

日本人は2006年以降オーストラリア国債を買い続けた。特に2008年の金融危機以降、オーストラリア国債買いが加速した。2001年には日本の個人が投資した投資信託の残高は280億ドルだったが、2012年には10倍以上の3000億ドルに増えた。利回りが高いことで人気が出た。オーストラリアの国債、つまり国の借金の約20%にもあたる規模だ。

このトレンドが2012年11月中旬から激変した。日本の個人投資家向け投資信託は一斉にオーストラリア国債を売りはじめた。フィナンシャル・タイムズによると、約2カ月で80億ドル相当のオーストラリア国債や債券を日本人が売却した。

オーストラリア国債などを売った資金はどうなったのか。財務省の統計などをみると、2012年からユーロ圏の資産が大幅に増えている。オーストラリアドル建て資産からユーロ建て資産に日本人の資産が大きくシフトしていることを示している。今後も資金の移動が継続すれば、外国為替相場に影響する可能性がある。

安倍首相は今週はじめの国会答弁の中で、金融緩和の選択肢として外債の購入があると述べた。その後、今度は麻生財務相が外債購入は考えていないと否定した。日本政府が外国債を買うと結果として円が値下がりするため注目を集めた。政府内で外債を巡る議論が迷走している一方、個人は積極的に外債を売ったり買ったりしている。

[FEBRUARY 22, 2013] No 0105216

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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