2分でわかるアメリカ

2013/02/22オバマ政権の次のチャレンジ


雇用の創出、住宅市場の改善、財政再建。2期目のオバマ大統領は多くの経済問題を抱えています。中東や北朝鮮など、安全保障や外交問題も山積みです。ただ、これらの問題は、誰が大統領であっても取り組む問題と言えます。

オバマ大統領はいま、歴史的な政策を実行しようとしています。オバマ大統領は1期目で、過去の大統領が実施できなかった国民皆保険に繋がる健康保険改革を実現しました。そして2期目のいま、最初に重視したのが移民制度改革です。

アメリカには約1100万人の不法移民がいるとされています。不法移民とは、滞在資格がないのに陸路などで国境を越えて居住している人やビザ(査証)が失効した後も居住を続けている人のことです。不法移民の約6割はメキシコ人とみられます。中南米出身のヒスパニック系が圧倒的に多いのですが、韓国系が20万人以上、日本人も万単位でいるとされています。

 不法移民の多くは、レストランなどの飲食業、ベビーシッター、農作業など幅広い職種に就いて現金収入を稼ぎ、家族を養っています。子どもはアメリカの公立学校に通っています。アメリカ人なら「誰もが知っている」事実です。 

オバマ大統領は、この問題に白黒をつけようとしています。USAトゥデイによりますと、ホワイトハウスは、不法移民が8年以内に永住権を取得することを可能にする移民制度改革法案を検討しています。犯罪歴のチェックなどを経てビザを取得、その後にグリーンカードと呼ばれる永住権を申請するというものです。市民権への道も開かれます。

「不法」を「合法」にし税金も納めてもらい、子どもにはアメリカンドリームを目指して欲しいというのが狙いです。

下院で過半数を持つ共和党はオバマ案を反対しています。「パンの生焼きのように中途半端で、移民問題を悪化させる」と激しく批判しています。それよりも不法移民のトラッキングを重視しています。レーガン政権は1986年に不法移民300万人を合法化しましたが、オバマ大統領は、それ以上の大幅な改革を目指しています。アメリカが抱える深刻な問題が進展するかどうか、オバマ大統領の挑戦は続きます。

[FEBRUARY 21, 2013] No 0105215

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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