2分でわかるアメリカ

2013/02/20ゴールド・ブームは終わった?


 世界的なブームを背景に上昇トレンドが続いていた金相場が冴えません。ニューヨーク・マーカンタイル取引所の金相場は先週末、トロイオンスあたり1600ドルを一時的に割り込みました。連休明けのきょう18日も軟調です。 

金相場は上昇トレンドが過去10年続きました。2008年の金融危機後にFRBをはじめとする世界の中央銀行が金融緩和を相次いで実施したことで代替通貨としての金への需要が加速しました。2011年には過去最高値となる1900ドルを超えました。2012年も高水準で推移していたのですが、年末から相場が崩れました。

先週は、伝統的に金を好む中国人が旧正月の連休のため市場に参加しなかったことも相場下落に影響したと指摘されているのですが、ブル(強気)トレンドが終わり長期的なベア(弱気)トレンドに入ったとの見方も出始めました。

「先を読む」ことで利益を上げてきた著名投資家の一部も金を売り始めました。SECへの報告書によりますと、ジョージ・ソロス氏は約1億ドル(約93億円)相当の金のETFを去年10-12月期に売却しました。保有している半分です。ソロス氏は「金は究極のバブルだ」と警鐘を鳴らしていましたが、自らの投資で実践した形です。

大手ヘッジファンドのムーア・キャピタル・マネージメントも金のETF保有の過半数を売却しました。さらに、大手投資会社ブラックロックも金の保有を減らしているとウォール・ストリート・ジャーナルが伝えています。ただ、金のファンとして知られる著名投資家ジョン・ポールソン氏は、金保有高を変えていません。

有事や景気低迷期に上昇する傾向がある金相場が下がるのは、景気安定もしくは金融政策が緩和から引締めに変わる兆しとも受け取ることが出来ます。単純にファンドの利益確定もしくは反比例する傾向があるドル相場の上昇の兆しの可能性もあります。金相場の動きに注目したいと思います。

[FEBRUARY 19, 2013] No 0105213

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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