2分でわかるアメリカ

2010/06/03失われた30年?


カリフォルニア北部のパルアルトという街に、家族ぐるみでお付き合いしている家族がいます。ロシア系アメリカ人で、子供同士が仲良し、年に数回お互いの家を訪問し合っています。

ご主人のユーリは、ロシア生まれ。医学部を卒業したものの、旧ソビエト時代の医師は薄給だったため、建設会社を起こし成功しました。奥さんのオルガと知り合い、アメリカに移るのですが、良い仕事が見つかりません。UCLAで医師免許を取り直しました。DNAの研究がしたくてスタンフォード大学の奨学制度に応募、1000倍以上の倍率の審査を見事パスしました。彼は天才です。

今年3月までスタンフォード大学で研究すると同時に、大学病院の小児科に勤務していました。大学キャンパスの直ぐ隣にある、タウンハウスに家族で住んでいます。このタウンハウスには、スタンフォード大学の関係者だけが住んでいるのですが、3分の1は中国人です。敷地内で日本語を聞いたことは、たった一度だけです。 

世界の理系頭脳が集まる名門スタンフォード大学には、かつて多くの日本人がいたのですが、いまキャンパスを歩いているアジア系は、中国人か韓国人です。
 

娘のニコルが通う小学校はIQが飛び抜けて高いことで知られているのですが、クラスで成績が良いのは、インド人と中国人だそうです。インド人の親の多くは、隣町のサンノゼ、つまり、シリコンバレーで働いています。

アメリカ通の人に聞いたのですが、ハーバード大学ロースクールに入学した日本人はわずか1人、それに対し中国人と韓国人は、それぞれ10人以上いるそうです。ハーバード・ロースクールは、オバマ大統領も卒業した文系の最高峰です。

世界で注目される中国や台湾のハイテク企業のトップや、グローバルに活躍する中国や香港の金融機関のトップは、いずれもアメリカの名門大学を卒業しています。学歴だけが全てではありませんが、世界最高の教育を受けただけではなく、アメリカやヨーロッパのビジネスマンの同窓生なのです。

スタンフォードやハーバードでいま学んでいる人は10年後20年後に世界をリードする人たちです。その人脈は、グローバルに広がっています。日本は会社社会主義であるため、アメリカでの留学経験がうまくいかされていません。しかしこのままでは、失われた10年どころか、失われた30年になってしまいます。日本の復活には、次世代への投資が重要です。しかし、国の行方を決める政治リーダーが、政局に時間と頭脳を使っているのは残念です。

[June 02, 2010] No 010166

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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