2分でわかるアメリカ

2013/02/05787停止も進む次期モデル


ロサンゼルスに戻りました。羽田発のデルタ便はガラガラでした。エコノミーの中側4席をベッドにして7時間も熟睡できました。この状態だとエコノミーはビジネスクラスより良いですね。「ラッキー」だったと思ったのですが、同時に航空会社の経営は大変だろうなとも思いました。空港のスタッフとクルーの数が搭乗客数より多くてもフライトをキャンセルすることが出来ませんから。

先月7日の出火事故と16日の緊急着陸事故を受けてボーイング787の運航が停止された状態が続いています。世界で約50機ありますが、保有機が多かった全日空と日本航空の2社の経営に大きな影響を与えているとみられます。

アメリカの連邦運輸安全当局は、先週末までの調査でリチウムイオンの問題、発火の原因まだ特定できないことを明らかにしました。原因が解明され対策が取られるまでには何週間も何ヶ月もかかる可能性が高くなっています。燃費効率が良く、採算が合うまで短期間で済むため積極導入したことが、皮肉にも経営を不透明にする結果になりました。

こうした中、ボーイング社は787の新型モデルの組み立てを近日中に開始するとウォール・ストリート・ジャーナルが伝えました。新型機は「787-9」というモデルで、運航が停止されている787より40人多く乗せることが出来ます。飛行距離もわずかですが787より長く飛ぶことが出来るそうです。787のストレッチ版です。

日本から電子部品がサウス・カロライナに到着済みで、1週間以内にイタリアから届く機体と組み立てをはじめます。リチウムイオン電池を含め電子システムは787と同じもので安全への問題が未解決ですが、ボーイング社は予定通り計画を進めています。

787-9の第一号機は来年はじめにニュージーランド航空へ納品される予定になっています。ただし、飛行テストは航空安全当局の許可無しには実施できないため、組み立てを「見切り発車」した形です。

ニューヨーク株式市場ではボーイング社の株価が787の運行停止後もそれほど下がっていません。ウォール街は事故原因が近く解明されるとみているのでしょうか。


[FEBRUARY 04, 2013] No 0105202

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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