2分でわかるアメリカ

2013/01/19「常識シリーズ14」“ジャパンはリスクか手本か”


日本の複数の大手メディアの幹部と話して感じたことがある。安倍政権への不信感だ。「日本は大変なことになるのではないか」と口を揃える。安倍首相の発言で円高から円安に転換、株式相場が大幅に上昇した。しかし、口先だけで実行された訳ではないし、自民党政権の歴史がトラウマになっている。「借金を膨らませるのは危険すぎる」とも幹部は言っている。  

日本の新政権は久しぶりに世界の注目を集めた。世界のオピニオンリーダーや賢人は実際どうみているのか。

イングランド銀行の元政策委員で、ピーターソン国際経済研究所のアダム・ポーセン所長は、日本は経済刺激策を見直すべきだとフィナンシャル・タイムズへの寄稿で警鐘を鳴らした。「イタリア、英国、そして米国は債務を増やし構造的な問題に直面している。日本もそうなりかねない」と主張。「財政出動を拡大することは長期的に悪い影響をもたらす。デフレと過剰な円高に戻る」と警告した。規律ある財政政策が日本に必要だとしている。

ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏は、世界の主要国の中で最も早くバブル崩壊とその後の景気低迷を経験した日本がついに動き出したとするコラムをニューヨーク・タイムズに寄稿した。この中でクルーグマン氏は、安倍首相主導のインフレターゲットの引き上げや経済刺激策を市場が歓迎していると説明。安倍首相の経済政策が成功すれば我々の手本となるとエールを送っている。

ワシントン・ポストは、米国を取り巻く2013年の海外リスクと題したコラムの最後に、特筆すべきこととして日本が突然、世界の注目を集めたと指摘している。財政出動で景気を刺激するケインジアン政策で20年続く景気低迷を反転させようとしているとした上で、成功すれば米国に良いと主張。しかし、失敗して債務だけが膨らむ結果になれば壊滅的な状況になると締めくくっている。ちょっとしたミスが悪い結果を招くとの見方だ。

[JANUARY 18, 2013] No 0105191

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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