2分でわかるアメリカ

2013/01/16米債務上限問題の最悪シナリオ


アメリカは、政府が借金できる上限を法律で定めています。2011年夏、難航の末に引き上げられた債務上限は現在16.4兆ドルです。債務は去年12月31日に上限に達し、現在は緊急措置がとられています。当然ですが、いつまでも続く訳ではありません。来月2月15日から3月1日までの間のいずれかの日に政府の銀行口座がゼロになると財務省が発表しました。

政府の銀行口座が枯渇したらどうなるか。ホワイトハウスは、2011年に問題が発生した際に対策案をまとめました。デフォルト後の対応という最悪シナリオです。ホワイトハウスは現在、対応策の修正をしていますが、選択肢は限定的だとみられます。  

対策案では、保有する金や住宅ローン関連債を売却し現金を捻出、同時に社会保障費などを40%程度削減するオプションがあるとしています。また、人件費から電気代まであらゆる支払いを一旦止め税収が入った段階で支払うという案もあります。ウォール・ストリート・ジャーナルは後者の案が有力だとしています。メディアが騒いだ1兆ドルの硬貨を発行する奇策については、政府は「やらない」と否定しています。

国債の利回りの支払いについて、対策案では「要検討」になっています。もし、利払いが停止されたら、金融市場は大混乱することが容易に予想されます。

「最も安全な資産」として世界中の金融機関が米国債を大量に保有しています。財務省の最新データでは、去年末時点で中国が1兆2560億ドルでトップ、2位は日本でちょうど1兆ドルです。3位は石油輸出国となっているのですが日本の4分の1以下です つまり、中国と日本が最も影響を受ける可能性があるということです。

債務上限問題に関し、共和党は歳出削減とセットで協議するよう要求しています。これに対しオバマ大統領は、「駆け引きはしない」とけん制しています。この問題は世界に大きく影響するだけに、年末の「財政の崖」問題以上に深刻化する可能性があります。

[JANUARY 15, 2013] No 0105188

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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