2分でわかるアメリカ

2013/01/11ウォール街レイオフ新章


 

大手金融機関モルガン・スタンレーが、全従業員の3%にあたる1600人を削減することが関係者の話で明らかになりました。機関投資家向け証券業務を中心にリストラします。モルガン・スタンレーは去年も大規模なリストラを実施しています。 


これまでのリストラでは若いサポーティング要員や海外拠点が中心でしたが、今回はアメリカ本体で高給をとっている管理職のポジションが大幅にカットされるそうです。

ウォール街では過去2年間で3万人以上が職を失いました。去年後半には、シティグループが全従業員の4%にあたる1万1000人の削減を発表、UBSは1万人のレイオフを発表しました。ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカ、そしてHSBCも大規模なリストラを決めています。人員削減の流れは今後も続くとみられ、今回のモルガン・スタンレーを皮切りにリストラの発表が相次ぐことが予想されます。

背景の1つとして金融市場の収入の伸びがあります。低い経済成長を背景に株式相場が低迷、ウォール街の経営者はどの時代も株価もしくはバリュエーションの引き上げを目指すため、コストを削減する必要があります。モルガン・スタンレーの株価は2011年に低迷した後、去年1年で33%も上昇しました。ハードルが上がったということでしょうか。

2つ目の背景は金融規制の強化です。ドッドフランク法によりデリバティブ取引が大幅に規制されるため、トレード部門は縮小されます。また、国際的な金融ルールの強化で資本を増強する必要に迫られています。

ウォール街のレイオフ新章は、まだ始まったばかりです。

[JANUARY 10, 2013] No 0105186

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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