2分でわかるアメリカ

2013/01/04確率50%のびっくり10大予想


 バイロン・ウィーン氏の「びっくり10大予想」が発表されました。モルガン・スタンレー勤務時代の1986年からの恒例で、今回は投資会社ブラックストーンの副会長としての予想です。マーケットが3分の1の確率しかないと予想している中から選んだということです。 

まずエネルギー関連。ウィーン氏は「イランが核武装を続ける」と予想しています。一方で、「民主党主導でアメリカが産油生産を拡大し石油の中東依存から脱却することで原油相場のベンチマークであるWTIがバレルあたり70ドルに下落する」としています。現行水準から25%低い水準で、こうなるとガソリンが安くなって助かるのですが。

次に株式相場。「企業業績が減速し株式相場のベンチマークであるS&P500 が現行水準より10%超低い1300ポイントまで売られる」とのサプライズ。規制強化を背景に「金融株が大幅に下がる」ことも予想しています。商業および投資部門の利益が落ち、レイオフが継続すると同時に報酬が下がるとしています。

海外の株式相場については、上海A株が20%が上昇すると予想しています。日本に関しては、「景気低迷が続く一方で円の対ドル相場が100円まで下落輸出株などが主導して日経平均株価は1万2000ポイントを超える」とのサプライズ予想。興味深いです。一方、「ヨーロッパの株式相場は、構造的な問題が解決せず10%下落する」としています。まとめますと、欧米が株安の一方で、アジアは株高とのびっくり予想です。

このほか、金相場は代替通貨として中央銀行による保有が増え「トロイオンスあたり1900ドルまで上昇する」「気候変動で干ばつが深刻化し商品相場が上昇する」「アメリカの共和党が移民に有利な政策に方針転換する」とウィーン氏はサプライズ予想しています。

ウィーン氏は10大予想以外に、高速取引が個人投資家に不利だとしてデイトレードに手数料導入が検討される、富裕層への増税による歳入増が実現できないため付加価値税が検討されるなどの確率が低いびっくり予想を同時に発表しています。また、ウィーン氏は、2013年の経済をめぐる恐怖は、企業収益、財政の崖、中東の緊張、そしてユーロ圏の危機の4つを挙げ、前年より深刻化するだろうとしています。

びっくり予想の確率は50%とウィーン氏は説明しています。去年の「びっくり10大予想」は、アメリカの住宅市場の改善や金相場の1600ドル超えなどが見事的中しましたが、3勝4敗3分けでした。2013年はどうでしょう。

[JANUARY 03, 2013] No 0105181

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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