2分でわかるアメリカ

2012/12/20乱射事件で銃が売れる


コネチカットのニュータウンで先週金曜日に起きた20人の児童が射殺された過去最も残虐な事件から数日が経ちました。射殺された児童の葬儀が連日営まれています。きょう19日だけで5人の葬儀があり、小さい子どもが一日中、葬儀をハシゴするという痛ましい状況が続いています。

オバマ大統領は銃を規制する「意味ある対応」を明言、バイデン副大統領にとりまとめを指示しました。議会でも与野党を問わず規制強化の声が強まっています。その一方で、全米のガン・ショップでは、銃の売上が急増しています。コロラド、テキサス、オハイオ、オレゴンなどでは、事件直後から銃や弾丸の売上が急増、一部では品不足になっているようです。銃メーカー大手のスミス&ウェッソンは今年10-12月の売上が前年比で倍増するとの見通しを発表しました。

これほど悲しい事件が起きたのになぜか。銃を購入する際のチェックが厳しくなることが予想され、自動小銃の販売が大幅に規制される可能性があるため、駆け込み需要が膨らんだことが背景にあるとみられています。

 実は、アメリカの銃の売上は、オバマ大統領が4年前に選挙で勝利して以降に増えました。民主党政権は銃規制に動くとみられていたからです。実際は反対派に考慮してオバマ大統領は慎重な姿勢をとってきたのですが、銃の販売は倍増しました。乱射事件が起きるたびに、売上がジャンプしています。 

コネチカットの乱射事件でアダム・ランザ容疑者が使用した銃は、全米最大の銃メーカーであるフリーダム・グループの製品です。フリーダム・グループのオーナーは、サーベラス・キャピタル・マネージメントというニューヨークに拠点を置くプライベート・エクイティ会社です。そして、このファンドの最大の顧客は、皮肉にもカリフォルニア州の教員の年金基金です。ニューヨーク・タイムズは、サーベラスが銃のメーカーの最大手を売りに出すと大きく報じました。理由は、記事を読まなくても明らかです。今度こそは、銃を厳しく規制し、安心して暮らせるアメリカにして欲しいです。

[DECEMBR 19, 2012] No 0105174

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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