2分でわかるアメリカ

2012/12/18米個人所有の銃は3億丁


ニューヨーク時代に、クルマで北東に1時間半ほどのコネチカット州の小さな町に毎週末通っていました。家族ぐるみで親しくしている友人宅があるからです。豪邸が多く、友人宅を訪れるたびに「アメリカの豊かさ」を感じていました。

コネチカット州は、ヘッジファンドをはじめとする多くの資産運用会社があり、ウォール街にも通勤できるため金融関係者や弁護士などのプロフェッショナルが多く住んでいます。複合企業GEの本社もあります。所得水準も学校の水準も高いことで知られています。

この豊かで平和なコネチカットのニュータウンという人口2万7000人の小さな町で悲劇が起きました。軍服を着た20歳のアダム・ランザ容疑者が、拳銃2丁と自動小銃を持って小学校に侵入、小学1年の男の子8人と女の子12人の命を短時間で奪いました。一部の子どもの遺体には10発以上撃たれた痕があり血だらけだったということです。校長ら大人6人も銃殺したあと、自らの命を奪いました。

乱射事件が起きたニュータウンは友人の家からクルマで15分と近かったので、直ぐに友人に連絡をとりました。幸いにも友人の2人の子どもは別の学校だったので無事でした。ただ、GEキャピタルの弁護士をしている夫人は、ランザ容疑者の父親と同僚だったこともあり、大きなショックを受けていました。税務担当のバイス・プレジデントをしている同僚は、自宅で射殺されたランザ容疑者の母親と3年前に離婚していたのですが、FBIから事情聴取を受けたそうです。

今回の乱射事件の死亡者は容疑者を含め27人。射殺された大半が小さい子どもで最も残虐な乱射事件です。記者会見でオバマ大統領は3度に渡り涙ぐみました。大統領ではなく、1人の父親に戻った瞬間でした。CNNのメイン・チャンネルは、事件発生後から60時間以上連続で、この事件だけを伝えています。

1981年のレーガン大統領(当時)の暗殺未遂事件で身体障害者になったジェームス・ブラディ氏にちなんで「ブラディ・キャンペーン」という非営利団体があります。そのポスターには、「去年拳銃で殺された数は、日本48人、イギリス8人、スイス34人、カナダ52人、イスラエル58人、スウェーデン21人、ドイツ42人」と順番に書いてあります。そして最後に「アメリカ1万728人」とあまりにも多い。

 アメリカ人個人が所持する銃の数は3億丁にのぼります。アメリカ全体の人口が3億1400万人。単純計算で、1人あたり1丁の銃を持っていることになります。根強い反対があるのですが、今回ばかりは「銃規制」の動きが強まりそうです。特に殺傷能力の高い自動小銃などの所持の禁止に繋がる可能性が高そうです。オバマ大統領が涙目で語った「再発防止のための意味ある行動」に期待したいです。 

亡くなられた方の冥福をお祈りします。

[DECEMBR 17, 2012] No 0105172

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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