2分でわかるアメリカ

2012/12/14社長は投稿にご注意を


日本では、候補者らが選挙期間中にツイッターでつぶやくことが「公職選挙法違反」にあたるとの見解を総務省が示したことがニュースになりましたね。一方、先月実施されたアメリカの大統領選挙では、オバマ大統領と共和党のロムニー候補がツイッターを最大限利用しました。

ただ、アメリカでも、ソーシャル・メディアの使い方には注意が必要です。特に公開企業の経営責任者であるCEOやCFO、社長といった役職の人は気をつけた方が良さそうです。

インターネットでテレビ番組や映画を配信しているネットフリックスのリード・ヘイスティングスCEOは先週、証券取引委員会(SEC)から警告を受けました。

今年7月3日にヘイスティングス氏は、フェイスブックに「ネットフリックスの月間視聴時間が6月にはじめて10億時間を超えた」と投稿しました。翌4日は独立記念日で祝日でしたが、5日のニューヨーク株式市場ではネットフリックスの株価が大幅に上昇しました。

たまたまウォール街のアナリストがネットフリックスに強気なコメントを出したことも影響したとみられますが、SECは見逃しませんでした。「フェイスブックのフレンドだけが情報を得た」「多くの投資家が知らされず、公平性を欠いた」とみているのです。

 ネットフリックスは映画配信の最大手で、ウォール街の注目企業のひとつです。アナリストや経済記者の多くがヘイスティングス氏とフェイスブックで繋がっています。さらに、24万4000人がヘイスティングス氏をフォローしています。


SECは、公平性を維持するため、重要な経営情報をプレスリリースや8-Kと呼ばれる書類で情報開示することを全ての公開企業に義務づけています。ヘイスティングス氏は、この伝統的な手法ではなく、フェイスブックで公開したことが問題視されているのです。公開企業の経営者は、今回のSECの警告に動揺しています。

この問題について賛否両論があります。複数のアナリストが批判していますが、メディアの一部は「SECは時代錯誤が著しい、頭が固すぎる」としています。時代の変化とお役所の対応は、今後多くの議論を呼ぶような気がします。

[DECEMBR 13, 2012] No 0105170

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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