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2012/12/12明暗分ける電気自動車


 ミシガン州デトロイトに変わる新時代のクルマの都カリフォルニアでは、過去10年で電気自動車メーカーが相次いで誕生しました。その1つ、ディズニーランドに近いアナハイムに拠点を置くFisker(フィスカー)の未来が不透明になっています。 

BMWとアストン・マーチンのスタイリストだったヘンリク・フィスカー氏が起業したフィスカーは、スタイリッシュな電気自動車です。去年のはじめに発売した「カルマ」は、ポップスターのジャスティン・ビーバーさんら多くのセレブが購入し話題になりました。

ただカルマは値段が11万ドル、日本円で約900万円と高額で、これまでに2000台程度しか売れていません。フィスカーは、値段が半分程度の「アトランティック」という新車を開発していたのですが、資金が枯渇、開発を中断しました。「カルマ」の生産も止まりました。

部品の開発費やバッテリーの調達コストが高いこと、そして戦略的に提携していたバッテリー・メーカーのA123システムズが経営破たんしたことが響きました。フィスカーは投資銀行エバーコア・パートナーズを雇い、資本提携先もしくは売却先を探し始めました。フィスカーCEOは現在ロンドンに滞在していて、複数の提携先と交渉中だとウォール・ストリート・ジャーナルなどが報じています。

同じカリフォルニアの電気自動車メーカーであるテスラ・モーターズは、トヨタと戦略提携し、部品などを安く調達しています。また、メルセデス・ベンツのメーカーであるドイツのダイムラーとも提携しています。GMの工場を安く買い、新型のモデルSの生産を開始、ようやく採算が合うようになってきました。フィスカーと明暗を分けました。

フィスカーは、クリーン・エナジー政策を進めるオバマ大統領の政策のもと、1億9200万ドル(約157億円)のローンを政府から受けています。経営悪化はオバマ政権への批判に繋がりそうです。また、電気自動車業界は早くも再編が進む可能性があります。

[DECEMBR 11, 2012] No 0105168

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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