2分でわかるアメリカ

2012/12/11どうなる「財政の崖」


オバマ大統領は週末の定例ラジオ演説で、「財政の崖」を巡るホワイトハウスと議会共和党リーダーとの交渉について、富裕層の増税については譲歩しない考えをあらためて表明しました。

歳出が自動的に削減されるとの同時に、大型減税である「ブッシュ減税」が切れる「財政の崖」まであと3週間。景気が低迷する中での「財政の崖」が回避できないと、アメリカ経済が後退すると予想されています。改善の兆しを見せている雇用市場や住宅市場も再び悪化するとみられています。

財政の崖が回避されない場合所得税の最高税率は現行の35%から39.6%に上がります。アメリカの平均世帯では年2200ドルの増税になるとホワイトハウスは試算しています。先月の選挙で「富裕層へ増税」を公約の中心に掲げたオバマ大統領は、増税では譲歩しないものの、税率については交渉してもいいと言っています。

対する共和党のベイナー下院議長も「オバマ大統領と交渉する用意がある」とこれまでに何度も発言しました。しかし、富裕層への増税は絶対に受け入れられないと繰り返しています。

日曜日9日、オバマ大統領とベイナー下院議長は、ホワイトハウスで2人だけの会談をしました。『対話の窓は開いている』とだけ発表されました。進展がなかった可能性があります。

双方とも「交渉する用意があるが、譲歩はしない」状態のまま、時間だけが過ぎています。相撲でいえば「がっぷり四つ」の状態。当初は楽観的な見方が多かったのですが、あまりにも進展がないので懸念がじわりと広がりつつあります。

年末が迫り「来年はどういう年になるか」という予想が増えてきました。経済予想に関しては「財政の崖」の行方が大きく左右するため、例年と違って少し歯切れが悪い予想が多い気がします。

 各メディアの来年の予想のうちCNBCは、「財政の崖」は年収25万ドル以上の富裕層世帯の最高税率を37%にし、最低税率を28%に設定することで来年1月8日に合意すると予想しました。なぜ1月8日なのか。正月明けはスロースタートで、議会が真剣になるのが1月8日だからだそうです。 

[DECEMBR 10, 2012] No 0105169

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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