2分でわかるアメリカ

2012/12/08「日本の常識は世界の非常識」9


スイスのジュネーブにある世界経済フォーラムが2012年9月に発表した「世界競争力報告」によると、日本の総合順位は10位。2年連続で低下した。日本の政府債務算高のGDP(国内総生産)比は144カ国地域中の最下位。電力供給への評価は36位だったため、総合順位の低下は当然と言える。

個人レベルではどうか。米経済誌が今月5日に発表した「The World’s Most Powerful People(世界で最も影響力がある人物)」のリスト71人には、欧米の政治家や起業家のほか、ロシア、中国、インド、ブラジルなどの新興国の指導者が名前を連ねた。トップはオバマ米大統領、2位はドイツのメルケル首相、3位はロシアのプーチン首相。野田首相は60位に辛うじてランクインした。

日本人でランク入りしたのは4人。順位が最も高いのは日銀の白川総裁で40位、前年から4つ順位を下げた。一方で、FRBのバーナンキ議長やECBのドラギ総裁ら世界経済の「かじ取り役」が上位を占めた。

統計は、影響力が及ぶ人数や規模、資金力などを総合的に判断したものだが、主要国の中で日本の沈下が目立つ。

フォーブスは女性に絞ったランキングも発表している。「The World’s 100 Most Powerful Woman(世界で最も影響力がある女性100人)」には、日本人の名前がない

統計で見えてくることがいくつかある。まず、組織、団体、集団を重視し、個人を潰す日本社会。日本の学校では「平等」が重視され、特に公立学校では、秀でた生徒と遅れた子どもに同じ授業をするのが常識だ。社会人になっても、社員は平等で「出る杭は打たれる」社会。これに対し、米国の公立学校では小学校の段階から優秀な生徒の能力を徹底的に伸ばす指導がされている。中学では数学のクラスが成績別になっている。企業は、年齢、性別、人種、国籍に関係なく個人の能力を最大限活かす人事政策をとる。

 女性の登用でも欧米と日本の格差は大きい。欧米には「寿退社」などという言葉がない。能力のある女性をサポートするため、託児所の設置やフレックス出勤を採用するのは当たり前だし、グローバル企業の女性CEOやCFOも珍しくない。 

日本には優秀な人材、高い可能性を秘めた才能が豊富だ。組織も確かに重要だが、個人と女性の能力を引き出す社会が必要かもしれない。

[DECEMBR 07, 2012] No 0105166

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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