2分でわかるアメリカ

2012/12/07借金のカタは意外なモノ


アメリカは本格的なホリデー・シーズンに入り、パーティーやディナーに頻繁に誘われます。今年はなぜか「高級ワイン」を飲む機会に恵まれました。

 フランス・ボルドーやイタリア・ピエモントの年代物、さらにはカリフォルニアのカルトワインなど、高くて飲めないワインを幸運にもたて続けに堪能しました。パーティーのホストがワインのコレクター、もしくは誘ってくれた友人がワイン好きなためです。 

個人的に、ボルドーなどを少しだけ買い集めていたのですが、最近はほとんど買っていません。お金がついていかないからです。かつては100ドルちょっとで買えたシャトー・ラフィットやラトゥールなどのボルドーの最新のビンテージは一本1000ドル以上もします。お金持ちの中国人が買い漁っているらしいです。

ワインのコレクションにはお金がかかる。特に、いまからはじめるには高すぎる。一方、過去にコレクションを持った人は価値が何倍にもなり、株式や債券よりも高いリターンになっています。

ワインの価値を活かして面白いビジネスを展開している人がいます。フィナンシャル・タイムズが取り上げました。ステーフン・バートンという人です。何をはじめたかと言いますと、ワインを担保にお金を貸すサービスをはじめたのです。株式などの有価証券や不動産などを担保にローンを提供する会社は世界中にありますが、ワインを専門にお金を貸す人はバートンさんだけだそうです。

具体的には、流動性がある、つまり直ぐに売ることができる。ボルドーやブルゴーニュ、カリフォルニアとオーストラリアのカルトワインなど一部の銘柄に限定して担保としてとり、市場価値の35%までローンを提供するというサービスです。金利は年15%、一人当たり平均で10万ユーロ(約1000万円)を貸すそうです。

ビジネスとして成立するか不安だったバートンさんですが、問い合わせが絶えないそうです。ワイン・コレクターの短期的な資金需要の大きさは予想を超えていました。

借金のカタになったワインは、スイスとロンドンの施設で保存しています。8万本が眠っているそうです。このうちスイスの施設は、金の延べ棒などを保管する施設でもあります。ワインも金並みになったということでしょうか。

[DECEMBR 06, 2012] No 0105165

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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