2分でわかるアメリカ

2012/11/29日銀総裁に外国人が指名されたら


今週月曜日に明らかになった次期イングランド銀行総裁人事は、大きな「驚き」でした。318年の歴史ではじめて外国人を指名したからです。

指名されたカナダ中央銀行のマーク・カーニー総裁は経済学博士、ニューヨークのゴールドマン・サックスに13年間勤務しました。名門オックスフォード大学で学び、夫人はイギリス人ということでイギリスは近い存在。ただ、カーニー氏は現役の外国の中央銀行総裁であり、任期が3年も残っています。

 金融危機後のカナダ経済を主要国の中で最も早く安定させた実績、そして国際金融業界での定評などを背景に、「驚きの人事」はイギリスの英断として高く評価されています。ウォール・ストリート・ジャーナルは「カーニー氏指名は正しいシグナル」と報じました。またフィナンシャル・タイムズは「カーニー氏を歓迎、イギリスはあなたを必要としている」とのコラムを掲載しました。 

イングランド銀行の総裁人事は、国家の重要機関のトップですから「最適任者を世界中から選ぶ」もしくは人事の国境がなくなったことを示しています。言論機関でもクロスボーダーが進んでいます。

アメリカを代表するクオリティ・ペーパーのニューヨーク・タイムズは、イギリス国営放送BBCのマーク・トンプソンCEOを最高経営責任者に迎えました。また、CNNは、イギリスのテレビ業界で活躍したジャーナリストのピアス・モルガン氏を去年から看板番組の司会者にしています。

さらに、失敗に終わりましたが、アメリカを代表するテクノロジー企業のHPは去年、大手ソフト会社のトップをドイツから呼び寄せるCEO人事を発表しました。

日本でも外国人がトップになる企業がありますが、買収や出資を伴うもの、もしくは内部からの昇格人事にすぎません。来年4月に任期が切れる日銀の白川総裁の後継にシンガポールの中央銀行総裁が指名されるってことは絶対にないでしょうね。サッカー日本代表の監督を外国人が務めるように、日本政府の重要ポストに外国人を起用すると「大きく変わる」かもしれません。

[NOVEMBER 28, 2012] No 0105159

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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