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2012/11/22「休み」と商売


Chick-fil-A(チックフィレー)というファーストフード店があります。チキンバーガーで知られるChick-fil-Aは、1960年代にショッピングモールに出店を開始、全米39の州とワシントンDCに1615店を持つ大企業に発展しました。年間売上高は41億ドル(約3280億円)に達します。最近、ロサンゼルスにも進出、大盛況です。

ファーストフードというと長時間営業、もしくは休みの日でもオープンしているというイメージがありますが、Chick-fil-Aは日曜日がお休み」です。

 創業者のトルエット・キャシー氏が「家族や友人と時間を共にして欲しい」「教会に行って欲しい」という思いで、1946年の創業以来一貫して続けてきたポリシーです。「商売」より「従業員の休み」を優先したものです。家族や友人に感謝する祝日である「サンクスギビングデー」も当然ですが「お休み」です。 

対照的に、ウォルマートやターゲット、シアーズといった大型小売店は、サンクスギビングデー(感謝祭)の夜8時もしくは9時に開店する方針を発表しました。最大のセールイベント「ブラックフライデー」を前倒し、顧客を囲い込むことを狙ったものです。マクドナルドなどほとんどのファーストフード店はもちろん、通常通り営業します。

ところが、ウォルマートの組合の一部は「サンクスギビングデーを家族に返して」と反発、ターゲットの株主の一部も「開店前倒し」に反発し方針変更を求めています。サンクスギビングデーを明日22日に控え、どう決着するか流動的ですが、「従業員の休みと商売」を巡る議論はホリデーシーズンに入ったいま、活発になっています。

Chick-fil-Aは未上場、ウォルマートやターゲット、そしてマクドナルドは公開企業。この違いが「休み」に影響しているのかもしれません。株主の利益を優先するのであれば「休日」も営業し売上高を増やした方が良いと発想、長期的に考えると「従業員を大切に」ということになり、意外に難しい議論かもしれません。

[NOVEMBER 21, 2012] No 0105154

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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