2分でわかるアメリカ

2012/11/15アメリカのパワーシフト


アメリカの大統領選挙から1週間が経ちました。接戦が予想されていましたが、蓋をあけてみればオバマ大統領の圧勝でした。共和党のロムニー氏が「弱い候補」だったということもありますが、投票結果の分析が明らかになるにつれ、アメリカ国内の「パワーシフト」がオバマ大統領の票を押し上げたことがわかりました。

最も顕著に差が出たのは、マイノリティといわれる非白人の票です。オバマ大統領は黒人の票の93%ヒスパニックの票の71%を獲得しました。これに対し、ロムニー氏は白人票の59%を獲得しました。

 今回の選挙の有権者の71%は白人でした。この割合は統計を取り始めた1972年以降で最低の水準です。これに対し、ヒスパニックと黒人の有権者数は合わせて23%と過去最大です。これにアジア系を加えますと有権者の28%前後をマイノリティが占めました。 

裕福な白人が支えてきた共和党、そして自身が富裕層のロムニー氏は、票読みを完全に間違ったと言えます。マイノリティ、特にヒスパニックの関心が高い「移民政策」が、アメリカの政治で最重要の課題になることは間違いありません。

もうひとつのパワーシフトは「シングル・マザー」です。ワシントン・ポストのまとめでは、今回の選挙で投票した人全体の中で既婚女性のシェアは31%でした。ロムニー氏に投票した既婚女性は53%で、オバマ大統領に投票した46%を上回りました。ところが、投票者の23%を占めるシングル・マザーのロムニー氏の得票率はわずか31%、67%はオバマ大統領に投票しました。

アングロサクソンをはじめとした白人で既婚者が戦前戦後のアメリカの政治・経済を動かしてきました。しかし、今回の選挙は、マイノリティとシングル・マザーが政治を動かしたと言えます。

アメリカの大統領の最大任期は2期8年。つまり、黒人でリベラルなオバマ大統領は次の選挙に出れません。民主党と共和党は早くも2016年の大統領選挙に向け動き始めました。民主党はヒラリー・クリントン国務長官、共和党は副大統領候補だったポール・ライアン下院議員の立候補が有力視されています。まだまだわかりませんが、いずれにせよ、次の大統領候補は「マイノリティ」と「シングル・マザー」に優しい政策にシフトしていくことは間違いありません。

[NOVEMBER 14, 2012] No 0105149

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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