2分でわかるアメリカ

2012/11/07選挙後はドル高になる?


4年に一度の大統領選挙の投票が全米各地ではじまりました。投票が締め切られる東部地区から順に即日開票されます。  

稀にみる接戦で勝者が確定するまで時間がかかる可能性も指摘されているのですが、オバマ大統領が再任された場合は、現行の金融政策が維持される公算が大きいためドル安になるとの見方が優勢です。一方、ロムニー氏は、量的緩和を進めるFRBのバーナンキ議長を激しく批判、また規制緩和・成長を促進する政策をとるためドル高になるとの見方があります。

ただ、大統領が決まったからといっても状況は単純ではありません。新大統領が直ぐに取り組むべき課題としてFiscal Cliff(財政の崖)があります。問題が解決しない場合は4000億ドルもの増税と2000億ドルの歳出削減が実施されることになり、足腰が弱いアメリカ経済に打撃になります。

歴史をたどりますと、民主党政権共和党政権を問わず大統領選挙から1年間はドル高になる傾向があります。過去平均では、民主党政権ではほぼ横ばいか若干のドル高、共和党政権ではドルは約16%上昇しています。ドル円では平均7.7%のドル高になっています。ただ、選挙から2年目以降は、ドル安に転じることが少なくありません。

過去と比べ、今回は立法機関である議会の構図もFiscal Cliffに大きく影響するため状況は複雑で、単純に「新大統領=ドル高」とはならない可能性もあります。選挙直後に相場が一時的に振れても、その後はFiscal Cliffを巡る動きがドル相場の動きを決めることになりそうです。

過去と比べ、ユーロ圏の債務危機、特にギリシャやスペインの動向、中国の指導者交代後の行方など外部要因が不透明なことも相場を読みにくくしているとの指摘もあります。

[NOVEMBER 06, 2012] No 0105144

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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