2分でわかるアメリカ

2010/05/252004年相場との類似性


歴史は繰り返す」(History repeats itself)とは、ドイツの哲学者ヘーゲルの言葉です。「今年のアメリカの株式相場は2004年と類似していると指摘するアナリストが少なくありません

 今年はじめから4月末までにアメリカの株式相場は金融危機が続いていた2009年の安値から70%上昇しました。2004年には、ITバブル崩壊の後遺症が残る2002年から2003年の安値から45%相場が上がりました。 
2つ目の共通点は、金利の状況です。連銀(FRB)は2004年に、1年間継続した1%の金利誘導目標を0.25%引き上げました。連銀は現在、0〜0.25%という歴史的な超低金利を継続中ですが、市場関係者のおよそ半分は、「今年の11月ごろにも連銀が金利の引き上げに動くのではないか」と見ています。2004年も2010年も中国が引き締めに動いています。

3つ目の共通点は選挙です。2004年には大統領選挙が実施され、ジョージ・W・ブッシュ大統領が再選を果たしました。今年11月には大統領選挙ではありませんが、事実上、オバマ大統領の信任投票ともいえる中間選挙が実施されます。

アメリカの株式相場は、ギリシャ発のヨーロッパ債務危機をきっかけに、ダウやS&P500などの主要株価指数は4月末の高値からおよそ10%下落しました。歴史的にみると、ブル(強気)相場は、一定の上昇後に10%調整、または下落し、その後再び上昇トレンドに戻ります。2004年も5月の中旬までに調整した後、上げに転じています。

2004年と今年が異なるのはヨーロッパ債務危機というワイルドカードの存在です。別の言い方をすれば、ヨーロッパの債務危機の問題がなければ、今年は非常に先が読みやすい相場だったのかもしれません。オバマ大統領は、水面下でドイツやフランス、スペインなどと連絡を取り、自分たちでコントロール出来ない問題の解決に協力する姿勢を明確にしています。歴史は繰り返すのか、それとも新たな歴史の1ページが開かれるのか、ヨーロッパの債務危機の行方にかかっているのかもしれません。

[May 24, 2010] No 010161

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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