2分でわかるアメリカ

2012/10/31引き分けもありうる大統領選


少しややこしいのですが、4年ごとの大統領選挙は「11月の第1月曜日の翌日」に実施すると定められています。「11月の第1火曜日とすればいいじゃないか」と思うかもしれませんが、例えば10月31日が月曜日の場合は日付がずれてしまうため、そう定められています。

 今年の第1月曜日の翌日は11月6日。ちょうど1週間後です。日本ではオバマ大統領が優勢だとの報道が多いようですが、アメリカではちょっと違います。稀に見る接戦でどうなるか全く分からないとの報道が目立ちます。定期的に世論調査を実施している8社の最新の数字をみると、確かに全く予測がつかない情勢です。 

IPSOS/ロイターの調査では、47%対45%でオバマ大統領がロムニー候補を2ポイント上回っています。ところが、ギャロップの調査では46%対51%で、ロムニー氏が5ポイントもリードしています。オバマ優勢の調査結果は3社、ロムニー候補優勢の結果は4社、残り2社は48%で互角でした。それぞれ2ポイントから4ポイントの誤差があるとしていますので、歴史的な激戦だと言えます。

もしかしたら「大統領がロムニー氏、副大統領はバイデン氏」という組み合わせもあるかもしれないというコメントさえ出てきました。背景には、選挙の仕組みにあります。

これもまた少しややこしいのですが、アメリカの大統領選挙は間接選挙です。どういうことかと言いますと、アメリカの有権者は11月6日に「大統領候補と副大統領候補の組み合わせへの投票を誓約する選挙人団 (Electoral College) に投票します。ウィナーテイクオール方式、つまり勝者が全てを獲得する方式です。例えばカリフォルニア州で民主党を支持する選挙人の得票が多い場合、オバマ・バイデン・チームがカリフォルニア州の選挙人全てを獲得する仕組みです。

選挙人の数は人口によって決まっています。最大はカリフォルニア州で55人、次に多いのがテキサス州で38人、最も少ないのはアラスカ州で3人。選挙人団の数は合わせて538と偶数であるため、組み合わせによっては269対269という結果になる可能性も出てきました。

引き分けの場合はどうなるか。合衆国憲法では「下院が大統領を選び上院が副大統領を選ぶ」となっています。11月6日に同時に実施される議会選挙の結果、共和党が過半数の下院と民主党が過半数の上院の現行の勢力図が変わらないと仮定すると、ロムニー大統領、バイデン副大統領という組み合わせが実現する可能性があります。

ハリケーン「サンディ」が東海岸を直撃、被害が拡大しています。選挙日の6日までに完全復旧するとは考えられません。大統領候補の2人は大幅な戦略の変更を余儀なくされました。

[October 30, 2012] No 0105139

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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