2分でわかるアメリカ

2012/10/25「iPadミニ」買いますか


長く広く噂されていた「iPadミニ」が発表されました。画面サイズが7.9インチで、値段は329ドル(日本では2万8800円)から。まだ試していないので何とも言えないのですが、従来のiPadをサムスンのギャラクシー・シリーズなど他社のタブレットと比べると「レベルが違いすぎる」というか、明らかに優れているので、iPadミニも予想以上に売れる可能性がありそうです。

iPadミニと競合するのは、アマゾンの「キンドル・ファイア」とグーグルの「ネクサス7」になると思いますが、シェアを奪いそうです。IDCの調査によりますと、アップルの今年第2四半期のタブレット市場のシェアは68%です。第1四半期の63%から大幅に伸びました。アマゾンのシェアも増えましたが、わずか5%に留まっています。  

アップルは同時に、iPhoneで採用した超画質リトナ・ディスプレイを搭載したiPadの第4世代と13インチのMacBookPro、薄くなったiMac、さらにMacミニの最新版も発表しました。アメリカは、まもなく1年で最もモノが売れる年末商戦の時期を迎えます。新製品のラインアップを充実させたアップルは、今年も一人勝ちになる予感がします。

しかし、今回のサンノゼのイベントの目玉iPadミニは、従来のiPadの安価な小型版にすぎませんし、新型iMacなども従来の延長です。故スティーブ・ジョブズ氏が求め続けた「革新性がありません。発表後のウォール街のアナリストや専門メディアは、いずれも「WOW」、つまり新鮮な驚きがないとしています。僕はiPad2、妻は初代iPadを持っていますが、いずれもiPad4に買い替えたいと思いません。「まだ持っていない人」には絶対おすすめですが、「既に持っている人」には買いたいという魅力が足りません。

フィナンシャル・タイムズは先週、iPadミニが単なる「小型のiPad」であるならば、アップルが「守り」に入ったことを意味するとした論説を掲載しました。「守りのアップル」という見出しの論説は、アップルをさらなる高いステージに押し上げるイノベーションの波はどこにあるかと問うています。「確かに」と、きのうの発表をみて思いました。

[October 24, 2012] No 0105136

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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