2分でわかるアメリカ

2012/10/20「日本の常識は世界の非常識」2


日本の週刊誌や月刊誌を読んでいると、頻繁に「住宅ローン」の記事が掲載されている。記事の中に登場するフィナンシャル・プランナーは「繰り越し返済が有効だ」と勧めている。支払い総額が減るし、退職後に余裕のある生活ができるというもの。

日本人は小学生の頃から「借金は悪」と教えられる。「借りたお金は直ぐに返せ」「借金をするくらいなら我慢しろ」と。クレジットカードは一括払いが常識。カードよりも現金を好む。

企業も同じ。フィナンシャル・タイムズは、「日本企業はひたすら現金を貯めたがる」とした上で、日本企業が保有する現金は6910億ドルに上り、台湾とタイの経済規模に匹敵すると指摘。そして「現金はほとんど何の利益も上げていない」と皮肉っている。

一方、アメリカは180度違う。借金が出来るのは信用力があるから、住宅ローンの繰り越し返済や一括返済など考えられない、というのがアメリカ人。

アメリカでは、クレジットスコアが幅広く使われている。借金の返済、電気代など公共料金を期日までに納めた歴史を数値化、専門の大手3社がスコアを提供している。例えば、住宅ローンや自動車ローンを借りる場合、クレジットスコアが高いと優遇金利で借りられる。反面、スコアが悪いと融資条件が悪くなる。

アメリカ人はクレジットスコアを上げるため、あらゆる努力をする。クレジットカードの支払いを一括で支払えるのに、あえて分割で払ったりする。いくら余裕があっても、一度借りた住宅ローンは一括返済しない。逆に、住宅の価値とローン残高の差額が資産なので、それを担保にお金をさらに借りたりする。

CPA(公認会計士)は「アメリカではお金を借りた方が勝ち」「住宅ローンは死亡すればチャラになる」とアドバイスする。


 どちらがいいかは別にして、「借金」に対する考えは日米で正反対なのは事実。ただ、共通しているのはそれぞれの国家が収入(歳入)以上の借金をしていること。国債と言えばカッコいいが、「国の借金」だ。特に「借金は悪」としている日本の債務の対GDP比がアメリカよりもギリシャよりも高いのは皮肉としか言いようがない。 

[October 19, 2012] No 0105133

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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