2分でわかるアメリカ

2012/10/18相次ぐクリーン・エナジー会社の破たん


電気自動車に搭載するリチウムイオン電池のメーカーであるA123システムズが16日、日本の会社更生法に相当する連邦破産法第11条の適用を申請しました。1億4380万ドルある社債の金利280万ドル(約2億2000万円)を支払える目処が立たなくなったためです。

2001年にマサチューセッツ州に創業したA123システムズは、時代の流れに乗って急成長、株式公開も果たしました。しかし、開発に資金が嵩んだほか電気自動車会社フィスカーへの投資が失敗したことなどが響き経営が急速に悪化しました。

同じリチウムイオン電池メーカーだったエナ1も破たんしていて、今年で2件目。共通しているのは、アメリカ政府から多額の助成金を受けていることです。

オバマ大統領は900億ドル規模のクリーン・エナジー支援プログラムを打ち出しましたが、リチウムイオン電池の2社以外に、助成金を受け取った太陽光発電パネルのメーカーであるソリンドラとアバウンド・ソーラー、そして蓄電装置のビーコン・パワーとエナーデルがいずれも破たんしました。

電気自動車やクリーン・エナジーは「未来」であることは誰でもわかりますし、「未来の主導権を握りたい」と同時に「雇用も創出したい」というオバマ大統領の狙いも理解できます。しかし、現実はなかなか難しい。電気自動車はなかなか普及しませんし、太陽光パネルは高すぎます。  

健康保険改革と並んでオバマ政権の目玉だったクリーン・エナジーが完全に行き詰まった形です。「無駄遣いだった」それとも「フォローアップが足りなかったのか」。昨夜の大統領候補の2回目の討論会ではオバマ大統領が優勢でしたが、エナジー戦略の見直しは避けられない状況です。

[October 17 2012] No 0105131

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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