2分でわかるアメリカ

2012/10/17体感景気が悪くなった


毎日さまざまな経済指標が発表されます。強弱感はあるのですが、「景気が緩やかに回復している」という内容が多いようです。アメリカの景気は本当に回復しているのか。なんとなく、それを疑いたくなるような感じがします。

僕は毎日、サンタモニカの自宅からモンタナ・アベニューという通りをビーチまで往復しています。サンタモニカには、ビーチに近いメインと歩行者天国のプロムナード、そしてモンタナの主に3つの商店街があるのですが、この中でモンタナは「ローカルのショッピング街」「セレブが買い物をする通り」として知られています。

このモンタナ・アベニューに、夏頃から飲食店が急速に増えました。フローズン・ヨーグルトの店、スライス・ピザのカジュアルなレストラン、紅茶の専門店などです。いずれも繁盛しています。

 その反面、モンタナ・アベニューの代名詞だったブティックやセレクトショップの閉店が目立ちます。残ったブティックも、季節外れのバーゲンを毎週末開催しています。20%引きや30%引きは当たり前、半額以下で小売する店さえあります。「セールス・エブリデイ」という感じです。 

もうひとつ。間接的に聞いたのですが、ロサンゼルスの複数のショッピング・モールでキャラクター・グッズ店の経営者が苦戦しているそうです。去年までは「絶好調」だったのですが、今年の夏以降に急減速しました。メキシカンの顧客が多い地域のモール、アジア系が多いモール、そして白人が多いモールに分散されているのですが、いずれも「売れなくなった」そうです。その店の特有の問題ではなく、モール全体の客足が鈍っているそうです。

最後にサンタモニカの美容師の話。去年までは、客の3分の1を占めるアジア系を含めた外国人の来店頻度が急減しましたが、今年の夏以降は客の3分の2を占める白人の来店数が急に減ったそうです。この美容師の説では「不況になると最初に外国人が解雇される。景気の悪さは最後に白人にくる」ということです。モンタナ・アベニューを歩いている人のほとんどは白人です。

今年はじめから春にかけては、商店街には人が溢れ、高級レストランを予約するのが大変でした。「景気が回復している」のを体感したと言えます。しかし、ここにきて、アメリカ経済は急速に減速しているように感じます。これまでの経験ですと、体感した2、3カ月後に経済指標に反映されることが多くありました。

[October 16 2012] No 0105130

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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