2分でわかるアメリカ

2012/10/16ジャパンを巡るリスクと報道


日本経済が20年以上も低迷、日本の世界での影響力が低下しています。欧米のメディアで日本が取り上げられる頻度は確実に減りました。替わって、経済力をつけた中国、そして世界シェアを拡大し続けるサムスンやヒュンダイの韓国に関する報道が目立ちます。

週末のウォール・ストリート・ジャーナルには、めずらしく日本に関するニュースがトップページに掲載されました。

しかも2本も。ひとつは、先週東京で開催されたIMF・世界銀行に関する記事です。ユーロ圏の債務危機問題、それに減税期限切れと歳出削減が同時にくるアメリカのFiscal Cliffの問題への対応が議論の中心だったとした上で、ホスト国である日本の財政問題が世界経済の大きな懸念として注目されたとしています。  

日本は主要先進国の中で最も国の借金が大きく、財政赤字の対GDP比は年末に237%に達すると指摘。これはギリシャの198%やイタリアの126%以上に深刻だと伝えています。日本国債のほとんどは、国内の個人投資家と機関投資家が保有しているため、ユーロ圏のような危機に直ぐに直面する可能性は低いとしているものの、「リスク」を指摘するエコノミストが相次いでいるとしています。

もうひとつは、ソフトバンクによるアメリカ第3位の携帯電話会社スプリントの買収に関する記事です。これに関しては当初、業界上位のVerizonとAT&Tとの競争で苦戦するスプリントを、お金持ち(Deep pocket)のソフトバンクが救済するという視点で報じられたのですが、週末の記事はソフトバンクの巨額の借金に焦点をあてたものでした。みずほが幹事となった日本の3大銀行が1兆5000億円以上の融資を検討しているとしています。

ソフトバンクは15日、スプリントの株式70%を買うことで基本合意したと発表しました。円高と超低金利を背景に日本企業の海外買収が記録的な水準となっていますが、ソフトバンクの買収は日本企業による過去最大の買収で、「大きな賭け」だと欧米メディアが報じました。

これまで「借金」といえば、欧米の話であり、積極経営の欧米の企業の話でした。ソフトバンクの例は少し特殊かもしれませんが、いま「変わった日本」への関心が確実に広がりつつあります。

[October 15 2012] No 0105129

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.10.20 更新黄色いクルマが消える日ロサンゼルスはカリフォルニアらしい晴天でした。気温は28度。日本人の感覚では「暑い」と思うかもしれませんが、乾燥していて心地よい。5時間のフライトでニューヨーク…
  • 2018.10.19 更新カショギ氏の「最後のコラム」ワシントンポストが18日、行方不明のサウジアラビア人のジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏のコラムを掲載しました。「アラブ諸国に必要なのは表現の自由」と題するコ…
  • 2018.10.18 更新米財務省の為替報告書※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(15日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカ財務省が為替報告書を公表する予定。アメリカ東部時間の…
  • 2018.10.17 更新財政赤字、トランプ氏の主張と違った※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(15日更新)はこちら(マイページへログイン)大規模な減税分は高い経済成長で相殺される。トランプ政権が去年…
  • 2018.10.16 更新マーケットが気にするサウジ記者問題※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(15日更新)はこちら(マイページへログイン)サウジアラビア人のジャマル・カショギ記者が今月2日から行方不…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ